#901
『東京琴作り』(21/10/17 放送)
東京都 渋谷区
伝統的な和楽器である「東京琴」は、18世紀頃に現在の原形が作られ、時代と共に改良を重ねてきました。琴の甲羅と呼ばれる胴体部分を削る作業は、削り加減によって音色が左右される重要な工程です。素材となる桐は産地や育った環境によって硬さや木味が異なり、職人は甲羅の厚さを調節しながら内側を削っていきます。江戸時代から受け継がれてきた音が聞こえてきます。
■ DIRECTOR'S COMMENT
全国には大きくいうと3つの琴の生産地があり、実は東京がその一つ。「東京琴」は東京都の伝統工芸品にも指定されています。材料となる桐を削っていくのですが、ゲージを当てるとはいえ、作業はほぼ職人さんの勘が頼り。特に音に大きな影響を及ぼす裏側は、削る場所によって曲面の深さを変え、厚みを調整しているんです。しかも、木は一つとして同じものはなく、その木の木目や硬さを見ながら、さらに微調整しなければならないそうで、まさに職人の技でした。(鈴木和宣)
■ ACCESS
幡ヶ谷駅から五味和楽器店まで徒歩で約7分
