#959
『投げ銭供養』(22/12/11 放送)
徳島県 美波町
町内の真言宗11カ寺の檀家が1円玉を投げて故人の冥福を祈る伝統行事「投げ銭供養」始まりは室町時代の薬王寺とされており、11カ寺の持ち回りで毎年開かれます。今年は美波町の荘厳寺。各寺の僧侶が中央の高座に座り、33年前に亡くなった故人から順に過去帳を読み上げます。参拝者は家族や親族の名前を確認したら、バケツいっぱいに入れた硬貨を高座の周りのさい銭箱に投げ入れます。硬貨が高座に当たる音が大きいほど供養になるとされており、力いっぱい投げつける音が響きます。
■ DIRECTOR'S COMMENT
室町時代に始まったとされる「投げ銭供養」は、30年以上前から今年に亡くなった故人の冥福を祈る全国でも珍しい伝統行事です。1円玉を力強く投げたり時には優しく投げたりと、高座に当たる音も様々。1円玉が当たる音など普段は余り聞けませんが、町の人たちの祈りが込められた供養は、改めて感慨深さを感じた貴重な体験と撮影でした。(亀井清行)
■ ACCESS
「徳島空港」から「荘厳寺」まで車で約1時間30分
