#965
『シジュウカラガン』(23/1/29 放送)
宮城県 登米市
かつて日本に最も多く渡ってくるガンの一種であったが1930年代以降になると日本への飛来が途絶え、絶滅寸前まで追い込まれ、もはや群れで見ることはないだろうと言われた幻の鳥 シジュウカラガン。1983年から個体数回復の取り組みが行われ、今では数千羽見る事ができます。黒っぽいガン類で、頬から喉に目立つ白斑があります。普段は安全な池や沼で休息し、首を背中の羽に入れて寝ていることが多い。早朝には、広い水田地帯で採餌し、地上を歩きながら、主に稲の落ち穂などの草の実を食べます。
■ DIRECTOR'S COMMENT
シジュウカラガンは以前会いたいと願って撮影に行き、撮影する事が叶わなかった鳥でした。それは当時まだ保護活動の途中だったからと言うことが今回わかりました(現在も進行中だと思います)。化女沼に飛来していた約1万羽もいる雁の内、半数以上がシジュウカラガンの群れという話しでした(人によっては8割というほど)。数十年前にたった数羽しか日本で確認できなかった鳥が、今や数千羽となって飛来しているのです。これは地道に活動を続けて来た「日本雁を保護する会」など、環境を良くしたいと願う皆さんの活動にほかなりません。人の手によって毛皮欲しさに放ったキツネ、そのキツネにより絶滅に瀕した鳥、そして復活。人の手によって変わる環境もあれば、変えられる環境もある、そんな事をわずかですが実感できる撮影となりました。(村上宗義)
■ ACCESS
「仙台駅」から「化女沼」まで車で約1時間
