#972
『南部裂織』(23/3/19 放送)
青森県 十和田市
南部裂織は江戸時代に着古した着物や布を再生する技法として生み出された織物です。当時は寒冷な気候のために綿の栽培は難しく、木綿はとても貴重な存在でした。そのため、厳しい生活を強いられた農村地方の女性たちが布を大切にするための知恵から生まれたものと言われています。古布を細く裂いたものを横糸に、木綿糸を縦糸にして織った裂織は丈夫で暖かく、カラフルな色移りと複雑な機上げが特徴。昔はこたつ掛けや帯などに用いられてきましたが、現在ではテーブルカバーをはじめ現代感覚の手織物にも応用されています。
■ DIRECTOR'S COMMENT
青森県の伝統工芸品に指定されている「南部裂織」は、着古した生地や使わなくなった布など裂いて糸とした再利用する、まさにSDGsの先駆け的な取り組みを感じられるエコな作品です。完成するまで時間はかかりますが、今回お邪魔した「南部裂織保存会」のみなさんの楽しそうに織る様子がとても印象的でした。先輩方に教えられ後輩たちに受け継ぐ!「南部裂織を後世に残したい!」そんな思いの伝わる撮影となりました。(亀井清行)
■ ACCESS
「八戸駅」から「南部裂織保存会」まで車で約30分
