#974
『笹野一刀彫』(23/4/2 放送)
山形県 米沢市
山形県米沢市の南部にある笹野地区で代々受け継がれている木彫りの工芸品。その歴史は古く、1000年以上の歴史を持つと言い伝えられています。材料となるコシアブラの木をサルキリと呼ばれる独特の刃物一刀で彫り上げていくことから、『笹野一刀彫』と呼ばれています。江戸時代には米沢藩主の上杉鷹山による産業振興策の一環で、農民の冬季の副業として笹野彫が奨励され、その伝統が現在まで続いた結果、少数の工人と共に農家の副業として製作されています。
■ DIRECTOR'S COMMENT
専用の刃物で彫る笹野一刀彫。今ではその刃物を作る人がいないそうで道具の調達に苦労されているんだとか。でもさらに大変なのが材料集め。山に自生するコシアブラの木を切り出して使うのですが相手は野生の木、作業しやすい場所にはえているとは限りません。山の急斜面、突進してくる猪、そしてクマ・・・材料の調達は命懸けなんだそうです。色鮮やかでかわいらしいお鷹ポッポには、いろいろなものが込められているんですね。山形に行った際は、ぜひ笹野公民館に足を運んでみてください。JR米沢駅からタクシーで20分です。(千葉朋寛)
■ ACCESS
「米沢駅」から「笹野民芸館」まで車で約20分
