#982 『宝満山のヒキガエル』(23/5/28 放送)

福岡県 太宰府市 宝満山

宝満山は、古くから霊峰として崇められ、多くの登山者が訪れます。そんな宝満山で、「宝満山のヒキガエル」が令和2年に太宰府市民遺産に認定されました。宝満山のヒキガエルは、5月頃、麓の池で産まれると、約1か月かけ、幾多の困難を乗り越え頂上を目指して登っていきます。数年後、大人になったカエルは、厳寒の1月下旬~2月頃に、産卵のため、山の麓にある池に戻ってきます。池に至るまでには、たくさんのオスがメスを奪い合い、蛙合戦が行われています。繁殖期のオスは、動くものには何でも抱き着く習性があり、間違えてオスに抱き着いてしまうことも多々。間違えられたオスは、「自分はオスだ、放せ」と主張して、クックックと鳴きます。(リリースコール)

#982

■ DIRECTOR'S COMMENT

今回は「宝満山のヒキガエルを守る会」の皆様のご協力のもと、子ガエルが登頂している6月と、親ガエル産卵期の1月末の2回に分けてロケを行いました。最初は、生き物ということもあるので、出会うことができるものか、鳴き声も撮れるのか、全くわかりませんでしたが、保存会さんのご助言を頂いて、タイミングを絞って無事に撮影することができました・・・!!宝満山のヒキガエルたちは、車や人に踏まれてしまったり、側溝から出られなくなったり、蛇に狙われたり、暮らす上では困難なことが多いです。そんな中、保存会さんによって、側溝からの脱出用の石や木が置かれたり、踏まれないよう注意喚起の看板が置かれたりと守られています。ヒキガエルたちが、これからも健やかに暮らしていけることをお願っています。(森野好)

■ ACCESS

「太宰府駅」から「宝満山登山口」まで車で約10分

PAGE TOP

PAGE TOP