#990 『三味線の皮を張る音』(23/7/23 放送)

京都市 東山区

三味線の張替えは、専用の胴に「木栓」と呼ばれる洗濯ばさみのような部品で皮を四方から挟み、延ばした糸で限界まで引っ張ります。張力が弱ければ良い音は出ませんが、少しでも強ければ破けてしまいます。糸に巻き付けた木を回し、土台に打ち込んだ「くさび」をたたいて微妙な調整を行います。表面を指でたたき、微妙な音の変化を職人の耳で確認していきます。皮の部位によって強さが異なる特性を見極め、調整する事は匠の経験の技になります。

#990

■ DIRECTOR'S COMMENT

私はこれまで三味線を意識して見た事がなく、今回撮影に伺った今井三絃店さんで、三味線とはどんなものかを色々と教えて頂きました。特に驚いたのは三味線は弦の一本が、天神部分(ギターで言うヘッド部分)から棹(ネック部分)に伸びる部分で、棹に微かにあたっていて、それが三味線独特の弾いた時のビョンという震える音になる事。そして、弾いた時に他の弦や胴の部分と共鳴して、三味線全体で音を増幅させている事。さらにはギターのようにフレットが無い分、上手ければ上手いほど、ぴったりの音階が出せるという事(これはギターではフレットがもしもずれている場合、その音しか出せないという話)などなど、この他にも色々と三味線についてお聞かせ頂き、感心する事ばかりでした。京都とはどんなところかのお話もお聞かせ頂き、本当に勉強になった取材でした。ありがとうございました。(村上宗義)

■ ACCESS

「JR京都駅」から「今井三絃店」まで車で約15分

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