#996 『火振り漁』(23/9/3 放送)

高知県 四万十川

「火振り漁」は四万十川の風物詩。川には幅いっぱいに網を何重にも張り巡らせ、鮎が眠っている夜の時間帯を狙い、漁を行います。船の上で松明などの明かりをつけ、水面を竿でたたき、眠っている鮎を驚かせ、網に誘い込みます。漁期は、夏から秋、そして冬(12月1日から一か月の間)ですが、禁漁前の1ヵ月と解禁からの1週間が勝負といわれます。漁師が振り回す松明が闇に大きな火のかたまりとなって舞い、川面を焦がす情景は、今では他では見られない貴重な観光です。

#996

■ DIRECTOR'S COMMENT

今回訪れたのは四万十“町”、四万十市ではありません。さて、四万十川はダムが無いこともあり、最後の清流と言われているそうですが、昨今のゲリラ雷雨に悩まされる事も多く、すぐに濁流となって川が増水してしまうのだそうです。そんな川には沈んで橋を保つという沈下橋という橋を見ることができます。この橋が四万十川では、なんとも良い風景を作り出しており、昔から変わらない風景を見ているように思えます。その夜に聞こえてくるのが、今回の江戸後期から続いているのではないかと教えて頂いた「火振り漁」です。美しい原風景に美しい伝統の火灯。なんとも素敵な風景です。実は網にかかるのは鮎だけではなく、川エビもかかるのですが、これが実に美味!こんなに川エビが美味しいのかと驚きでした!10月14日の夜中までは(天候によりますが)この光を四万十川では見られるそうです。食の旅もかねて、是非訪ねて頂ければと思いました。(村上宗義)

■ ACCESS

高知空港から四万十町まで車で約1時間30分

PAGE TOP

PAGE TOP