千葉県 九十九里浜
全長およそ19㎝、冬羽では頭から背、翼の上面が灰色で、顔、胸、腹は白色の鳥類でたたんだ翼の翼角部分に黒斑があるのも特徴です。夏羽では、顔から胸、背など上面が赤褐色になります。翼の上面には黒っぽい斑が見られ、飛行すると翼上面に白帯がでます。くちばし、脚とも黒色です。日本では春・秋に通過している旅鳥ですが、関東地方以西では、越冬しているものもいます。外洋に面した砂浜に好んで生息し、干潟でも見られますが、底質が泥ではなく砂質の場所を選んでいます。トビムシ、小型貝類、ゴカイ類を好んで食べ、砂浜に波が打ち寄せるたびに、波に追われるように渚線を走り、餌取りをしている様子はよく見られる光景です。
■ DIRECTOR'S COMMENT
今回撮影したミユビシギは、波打ち際をちょこちょこと駆け回る姿がとても愛らしく、野鳥好きの間でも人気の鳥です。宮沢賢治の詩にも登場すると言われており、昔から全国各地で見られる鳥として知られています。今回、 日本野鳥の会の会員さんにご協力いただき、多くのミユビシギが見られるという九十九里でロケを行いました。60km以上続く広大な砂浜を北へ南へと駆け回りながらの撮影でした。自然をテーマにした映像は、一見すると“簡単に”生き物を見つけているように見えるかもしれませんが、実際にはそうでもありません。見渡す限り砂浜が続く場所で、ミユビシギを見つけるのは容易ではなく、会員さんの卓越した観察力と知識がなければ成し得ませんでした。この場を借りて心から感謝申し上げます。どこか人に慣れているところもあり、じっとしているとキュイキュイと鳴きながら側まで寄ってくるミユビシギ。日本に飛来する鳥は数が減って来ていると言われる中、同様にこの鳥も少しずつ減っているそうです。もっともっと知られて愛されて欲しいなぁと思っています。(村上宗義)
■ ACCESS
「JR東金駅」から「九十九里浜 片貝海岸」まで車で約25分
