#1086
『アカゲラの子育て』(25/6/8 放送)
北海道 弟子屈町
アカゲラはヨーロッパからアジア東部までに広く分布しており、今回は北海道・弟子屈町(てしかがちょう)で撮影されました。親のサイズは約24cmほどで、5月中旬~6月上旬に産卵を行い3~8個ほどの卵を産むといいます。巣は毎年新しく掘られ、前年の巣は他の動物に使われることもあります。巣を新しくする理由は、古い巣にはダニやノミがいるなどの衛生面を気にしていること、また捕食者からの防御、そしてオスが穴を掘る行為が求愛行動の一部にもなっているからです。アカゲラなどキツツキの仲間は「森の番人」とも呼ばれ、害虫を食べて木や森を守っています。
■ DIRECTOR'S COMMENT
キツツキの仲間であるアカゲラは、子育てにもたいへん熱心です。親鳥は何度も巣に戻っては、ひなに餌を運び続けていました。巣の中には4羽ほどのひながいて、日中ずっと大きな声で鳴き続けています。その声を聞いていると、「こんなに鳴いて、捕食者に見つからないのだろうか」と、思わず心配になるほどでした。この巣穴は、求愛行動の一環として作られたものですが、子育てを終えたあとも、他の鳥や小動物たちのすみかとして再利用されることがあります。つまり、アカゲラの子育ては、一つの家族の営みにとどまらず、森の命が受け継がれていく大切な一場面でもあるのです。(村上宗義)
■ ACCESS
「摩周駅」周辺
