#1103 『銅鏡の研磨』(25/10/12 放送)

京都市 下京区

銅鏡の歴史は古く、弥生時代に中国から朝鮮半島を経て日本に伝わったといわれ、平安時代には日本的な意匠になり和鏡とよばれるようになります。元々は儀礼で使われる等貴重な物でしたが、江戸時代には日用品となって行きます。明治時代にはガラス鏡の普及で銅鏡工房は激減するも、日本では御神鏡として需要のため残ってきましたが、昔は銅鏡を作る工房は京都だけでも数十軒以上ありましたが、現在残っているのは全国でも下京区の山本合金製作所1軒のみとなりました。銅鏡は、鋳造・削り・研ぎ-の3工程にわかれ、全工程の習熟には30年かかると言われています。削りだけでも鑢切削やセン切削、研ぎでも砥石研ぎや炭研ぎなど様々な工程に分かれています。

#1103

■ DIRECTOR'S COMMENT

今回ご紹介した鏡は、私たちが日常的に使う“ガラスにメッキを施した鏡”とは異なり、銅板を一枚一枚、職人の手で磨き上げて平らに仕上げたものです。歴史の教科書にも登場する「銅鏡」で、実用よりも神社への奉納など宗教的な用途に用いられてきました。取材した山本さんは、銅鏡を一から手作りできる、数少ない職人のお一人。しかも山本さんは、一見ふつうの鏡に見えるのに、光を当てると仏様やキリストの姿が浮かび上がる「魔鏡」の製作でも知られています。繊細な手仕事だからこそ生まれる、不思議で神秘的な鏡の世界に触れることができました。(鈴木和宣)

■ ACCESS

「JR京都駅」から「山本合金製作所」まで徒歩で約8分

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