#1113 『あえのこと』(25/12/21 放送)

石川県 鳳珠郡 能登町

「あえのこと」は石川県奥能登地域の農家に伝わる農耕儀礼です。12月5日の「田の神迎え」(暮れのあえのこと)では収穫を感謝し田の神様を家に招き翌年2月9日の「田の神送り」(春のあえのこと)まで家で過ごして頂きます。「あえ」とは田の神様をご馳走などで「饗応」する意味で、「こと」は神様にお仕えする「祭事」や「儀礼」と解釈されています。撮影で登場した農家の方の地域では「あえのこと」を「田の神様」と言う人が多く、儀礼は田の神様が目の前に存在するような所作で行っています。田の神様は農家・稲作・田を守る神様で、夫婦神で目が不自由と伝えられており、もてなす農家は段差など歩きにくい所は丁寧にお知らせしたり、お膳料理の一品一品を説明してさしあげてます。料理やお供え物のお下がりは家族で食すことになっており、これは農家が十分に食べることができなかった時代に米や魚を食べられる機会を作った先祖の知恵であると考えられています。昭和51年に国の重要無形民俗文化財に指定、平成21年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

#1113

■ DIRECTOR'S COMMENT

「あえのこと」は暮れ(12月5日)と春(2月9日)の年に2回行われます。暮れは田の神様を家に招き、一年の収穫を感謝し、春まで家で過ごしてもらい、春になったら五穀豊穣を祈願し、田の神様を田んぼに送り出すんだそうです。田の神様、できればお米の値段も下がるように計らっていただけませんでしょうか。よろしくお願い申し上げます。(千葉朋寛)

■ ACCESS

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