#1122 『ヒシクイ』(26/3/1 放送)

宮城県 登米市周辺

その名の通り、ヒシの実を食べるところから、ヒシクイと名付けられた。ガンの仲間の渡り鳥で、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に位置づけられています。繁殖地(カムチャツカ半島周辺)と日本国内の越冬地を往復し、その途中で湿地・湖沼を利用します。中継地としては、北海道美唄市の宮島沼がよく知られています。形態は全長80~90cmで、嘴は黒褐色で先端近くに帯状の橙褐色斑(だいだいかっしょくはん)があり、脚は橙色です。夜間は湖沼で過ごし、早朝に飛び立って周辺の田や畑などで採食します。鳴き声はマガンの高い声に対して、低い声で鳴きます。

#1122

■ DIRECTOR'S COMMENT

撮影は雁研究者・池内俊雄先生のご指導のもと進めました。ヒシクイは人との距離を約70mに保ち、それ以上に足を踏み入れると飛び立ってしまう警戒心の強い鳥です。そのため、車に乗ったまま観察することが前提でした。人の姿を見つけると動きを止め、警戒距離を越えると群れごと逃げてしまうからです。こうした現場での向き合い方も含め、先生からは、ガンが家族の結びつきを大切にする生態だけでなく、日本人と雁の歴史についても教わりました。日本には雁を題材に、つがいの結びつき[夫婦愛]を描いた昔話が残されています。そうした背景を踏まえて見つめると、群れの振る舞いが単なる習性ではなく、互いを確かめ合いながら生きる営みとして立ち上がって見えてきます。早朝、雁たちが一斉に飛び立つ瞬間に立ち会えて圧倒されました。今回はそこに、雁とともに積み重なってきた歴史の重みまでも感じた気がしました。(村上宗義)

■ ACCESS

「仙台駅」から「登米市」まで車で約1時間15分

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