#1125 『モモイロペリカン』(26/3/22 放送)

千葉県 印旛沼

モモイロペリカンは、繁殖期になると全身が鮮やかな桃色になるためその名がつきました。普段は白っぽい色をしており、英名では「Great White Pelican」と呼ばれます。生息地はヨーロッパ南東部・アジア南西部・アフリカなどの内陸の湖や沼、河口付近と言われています。体長は約1.4~1.7mで、翼を広げると3.5mに達するものもいるそうです。体重は約10kg、くちばしは約45cmとされます。数十羽から数万羽の群れで協力して魚群を囲み、浅瀬に追い込んで、のど袋で魚をすくい取って採餌することがあります。のど袋は、自分の重さほど(10リットル以上)の水と魚を一度にすくえるそうです。水だけを吐き出せるほか、毛細血管が多く、揺らすことで気化冷却が起き、体温を下げる役割もあるとされます。寿命は野生約15~25年/飼育下約50年とされています。

#1125

■ DIRECTOR'S COMMENT

印旛沼で暮らすモモイロペリカンは、漁師たちから「ガー君」と呼ばれています。舟の上をねぐらにし、漁に出る舟に寄り添うようにして、長い年月をこの場所で生きてきました。一方で、その来歴はいまもはっきりしません。地域では、動物園や飼育個体の可能性まで含めて手がかりを探したという話もあり、ある時テレビ番組では“動物と話せる”という人物が訪れ、由来に迫ろうとしたこともあったそうです笑。今回の取材は冬。群れに混ざらず、一羽で静かに季節を越える姿に、物悲しさと同時に、環境に適応して生き抜く強さを見ました。漁師の方からは、昔、石を投げられるなど心ない扱いを受けたこともあったと聞きます。それでも、いま「ガー君」と呼ばれ、漁に出る舟に寄り添うように暮らしている。そうした時間の積み重ねの中で、漁師との関係が少しずつ深くなっていったのかもしれないーーそんなふうに思えました。ガー君と仲良くなった漁師さんも“3代目”と聞き、どれほどの年月がここに流れてきたのだろう、と考えさせられます。その関係の時間こそが、この沼の風景の一部になっているように感じました。(村上宗義)

■ ACCESS

「京成佐倉駅」から「印旛沼」まで車で約15分

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