#1128
『室戸岬の御蔵洞』(26/4/12 放送)
高知県 室戸市
高知県東部、太平洋に突き出す室戸岬にある御蔵洞(みくらど)は、弘法大師・空海が修行を行ったと伝えられる洞窟で、古くから信仰と歴史を感じさせる場所として知られています。洞窟は荒々しい海食崖の中腹に位置し、波と風の浸食によって形成された自然の造形です。この地には「御厨人窟(みくろど)」と、そのに隣にある「神明窟(しんめいくつ)」という二つの洞窟が存在し、この二つを合わせて「御蔵洞(みくらど)」とも呼ばれています。御厨人窟は空海が住居としていた場所とされ、洞内から入口の方を見ると空と海だけが視界に広がることから、「空海」という名の由来になったという伝承が残されています。一方の神明窟は、古くから祈りや修行の場として使われてきました。現在も訪れる人々は、二つの洞窟それぞれの静けさと神秘性に触れながら、太平洋の雄大な景色とともに、自然と信仰が織りなす特別な空間を体感しています。
■ DIRECTOR'S COMMENT
高知県・室戸岬の岩肌にぽっかりと口を開ける御蔵洞。平安時代、青年期の空海が修行した場所とされ、住まいとしていた御厨人洞(みくろど)と、修行の場であった神明窟という二つの洞窟から成っています。街の中心地から離れた静かな場所にありながら、空海ゆかりの地として知られるこの地には、撮影中も多くの観光客やお遍路さんが絶えず訪れていました。御厨人洞の奥には社が祀られ、洞内は厳かな空気に包まれています。かすかに響く潮騒と、岩肌を伝って滴る水の音--その響きに耳を澄ませていると、1200年前、空海もまた同じ音を聞いていたのではないかと、不思議な感覚にとらわれました。(鈴木和宣)
■ ACCESS
「高知空港」から「御蔵洞」まで車で約1時間30分
