ストーリー

第6話2022.5.28 放送

「幽霊を科学で解明!?」長谷部(ユースケ・サンタマリア)は寝ている最中、髪の長い女性が上に乗ってきて身動きが取れなくなるという体験をする。幽霊を見たと怯える長谷部に、それは金縛りだと一蹴する小比類巻(ディーン・フジオカ)と最上(岸井ゆきの)。

「死んだ人間を目撃したなんて、すべて脳の幻覚で説明できる」 最上は幽霊の存在を完全否定。一方、小比類巻は、街で見かけた亜美(本仮屋ユイカ)とよく似た女性を思い出すのだった。 そんな中、科学犯罪対策室は、島崎(板尾創路)の命令でテレビ出演することに。世の中に起きている不可解な現象を科学的に読み解く番組で、小比類巻と最上は科学の専門家として心霊現象の謎を解明するという役割を任される。

小比類巻たちはテレビ局を訪れ、番組プロデューサーの行武(東根作寿英)から説明を受ける。番組で取り上げるのは、山名ホテルという温泉旅館に現れるという“土竜の間の幸子さん”。13年前から、山名ホテルの土竜の間で幽霊の目撃証言が相次いだ。幽霊は“幸子さん”と呼ばれるようになり、そのせいで客足が遠のいてホテルは10年前に廃業したという。

目撃情報を元に描かれた幸子さんのイラストを見た長谷部は、驚愕。前の晩に見た女性とそっくりだという。しかし最上は、長谷部の思い込みだと切り捨てる。 「それが科学的見地ってやつ?つまんねえなあ」 心霊研究家の諏訪(ダイアモンド☆ユカイ)は、最上の見解を否定。彼は、幸子さんが長谷部に助けを求めて現れたのだと主張する。最上と諏訪は、真っ向から対立。最上は、幽霊や心霊現象はすべて幻覚だと現場で証明すると言い切る。さらに、勢い余った彼女は、もしも幽霊がいないと証明できなかったら「科学犯罪対策室を解散する」と勝手に宣言してしまう!

最上の暴走に困惑する小比類巻だったが、幽霊は本当に存在するのか、科学の力でハッキリさせたいと考えていた。あの時見たのは、亜美の幽霊だったのか…? 番組収録の初日、小比類巻たちは廃墟と化した山名ホテルで心霊現象を観測することに。長谷部が被験者となって土竜の間でしばらく過ごし、小比類巻と最上、諏訪がモニタリングする。 不気味な部屋に取り残され、いつ幽霊が出てくるかとビクビクする長谷部。彼を見守るように、番組スタッフらしき女性(秋谷百音)もそばにいた。

それから数時間が経過した頃、土竜の間に足音が聞こえてくる。ついに幸子さんが現れた!?耳に痛みを覚えてパニック状態になった長谷部は、暴れた末に倒れてしまう!

以下 ネタバレを含みます

長谷部は小比類巻たちに助け出され、まもなく落ち着きを取り戻す。小比類巻と最上は、ホテルで計測したデータを解析。土竜の間の映像を見た小比類巻は何かに気付き「土竜の間の幸子さんの正体が分かりました!」と叫ぶ。

翌日のスタジオ収録では、小比類巻と最上、諏訪が対決。小比類巻は、長谷部に起きた異変を説明する。長谷部の耳が痛くなったのは、低周波音が原因。人間は低周波音にさらされると、耳鳴りや頭痛、イライラする症状が起こる場合があるのだ。
「科学の力で土竜の間に幸子さんの霊を召還してあげる」
次の日、土竜の間で検証が行われる。小比類巻と最上は、幸子さんの出現がパレイドリア効果だと解き明かす。人間の脳には相手の顔を識別するために特化した能力があり、それによって相手を見ただけですぐに何者かを判断することができる。一方、その能力のせいで、人間は3つの点を見ると目鼻を連想して顔だと錯覚を起こすことがある。土竜の間の壁には丸い木目が3つあった。さらに、10年前の土竜の間には置物が置かれていた。
「この置物こそが、幸子さんの幽霊の正体だったんです」
このホテルが営業していた頃、夜に5分間だけ中庭の噴水がライトアップされる仕掛けがあった。幸子さんが出現していたのは、まさにその時間だったのだ。

中庭で準備していた長谷部がスポットライトを噴水に向ける。すると、土竜の間の窓から光が差し込んで3つの木目に置物の影が重なり、髪の長い女性の姿が現れる。
「幸子さんの霊など存在しません。すべては目の錯覚だったんです」
小比類巻と最上の完全勝利だった。

山名ホテルのオーナーの母親・(草村礼子)が、幸子さんのことを知っていた。13年前、幸子さんは一人で泊まりに来た。彼女は土竜の間に数日間滞在して、誰かを待っているようだった。ある日、幸子さんは部屋に荷物を残したまま、忽然と姿を消してしまった。山名ホテルが廃業したのは近くに大型リゾートホテルができて客を取られたためで、幸子さんの幽霊が原因ではなかった。

では、低周波音が発生した理由は何だったのか?小比類巻たちは、ホテルの設計図を確認する。長谷部の隣にいたスタッフの女性が、設計図のある部分を指さす。そこはリゾートホテルの温泉用パイプだった。元々は山名ホテルのボイラー室だったのだが、リゾートホテル側に頼まれてパイプを通したため、ボイラー室のスペースは空洞になっていた。
「ボイラー室!そうです!そこです!」
スタッフの女性が声を上げる。しかし、彼女の声は長谷部にしか聞こえていないようだ。
リゾートホテルで発生した何らかの音がパイプを伝わってボイラー室の空洞で増幅され、低周波音を発生したと考えられた。

小比類巻たちと諏訪は、ボイラー室があった地下のスペースへ向かう。老朽化が進んでいた通路が崩れ、一同はボイラー室のスペースに転落。瓦礫で通路が塞がれてしまい、一同は完全に閉じ込められる。危機的状況にもかかわらず、低周波音がそこで発生していたことが証明できて喜ぶ小比類巻と最上。大混乱の中、長谷部が白骨遺体を発見する。遺体の身元は、幸子のようだった。頭部に大きな損傷が見られ、幸子は小比類巻たちと同じように転落し、頭を強打して死亡したと考えられた。

これで幸子さんにまつわるすべての謎が解明できたものの、周囲に漂っていた硫化水素の濃度が上がっていた。このままだと、小比類巻たちは窒息してしまう!その時、長谷部の前に番組スタッフの女性が現れ、抜け道を教えてくれる。一同は、無事に脱出することができた。気が付くと、女性の姿はなかった。

結局、収録した番組はお蔵入りになってしまう。長谷部が番組スタッフと思い込んでいた女性は、一体何者だったのか?その後、幸子さんが映っている写真が見つかる。そこには、長谷部を助けてくれた、あの女性が映っていた———

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