ストーリー

第10話2022.6.25 放送

星来(鈴木凜子)と最上(岸井ゆきの)を救うため、(加藤雅也)の研究所を目指す小比類巻(ディーン・フジオカ)。彼は、西城(平山祐介)が取引する現場を突き止めた。西城は、部下にボディハッカージャパンの研究所から研究資料とナノマシンを盗み出させ、原のもとへ運ぼうとしていた。小比類巻は、隙を突いて西城たちが原の研究所に向かう船に忍び込む。船は、原の研究所がある島に到着。小比類巻は西城の後を追い、研究所にたどり着く。

研究所の中では、最上がナノマシンの改良に成功し、星来に投与。プロメテウス・ウイルスの暴走が抑えられて星来は一命を取りとめるが、原は思いがけないことを言い出す。
「プロメテウス・ウイルスを改良する」
原は、ウイルスに強い耐性を持つ星来の体の中でプロメテウス・ウイルスと別のウイルスを掛け合わせることで、より感染力の強いウイルスを作り出そうとしていた。最上は、これ以上負荷をかけると星来の体がもたないと必死で止める。しかし、星来にウイルスが投与される。無菌室で苦しみ始める星来。星来の体内で、最強最悪のウイルスが作り出されてしまう。最上は「本当の目的は何なの?」と原に迫る。

長谷部(ユースケ・サンタマリア)は、原の所在を懸命に捜す。島崎(板尾創路)は、原が言い残した“最後の審判”という言葉が気にかかっていた。原には不老不死とは別の目的があるのではないのかと、島崎は疑念を抱く。

小比類巻は、研究所内に潜り込む。彼が実験室にたどり着いた時、中にいた研究員の一人が倒れ、急激に老化して死亡する。実験室内でプロメテウス・ウイルスの感染が起こっていた。影山(鷲見玲奈)は、パニック状態に陥る研究員たちを閉じ込め「最後の審判が始まるのよ」と告げる———

小比類巻は、長谷部がいる捜査本部に連絡。小比類巻の情報から、捜査本部は原によるテロを警戒する。そんな中、西城がウイルスを島から運び出したことが判明。原が企むテロの標的は、どこなのか?葛木(西村和彦)や長谷部ら捜査本部に緊迫感が高まる。

原が企てる巨大な陰謀の全貌が明らかに。小比類巻たちは、人類を危機に陥れるバイオテロに、どう立ち向かう———!?

以下 ネタバレを含みます

長谷部のもとに三枝(佐藤隆太)から、厚労省の次官が出席するパーティーで不老不死の研究発表が行われるという情報が入る。それはカーン(安藤政信)が主催するボディハッカージャパン創設20周年記念パーティーで、世界中から科学者や政財界の有力者が集まる予定だった。捜査本部では、このパーティーがテロのターゲットと断定。
小比類巻は、拘束を逃れて、星来を救いに行こうとしていた最上と合流。2人は、星来の眠る無菌室にたどり着く。星来を連れ出そうとしたその時、原が現れる。
「君の娘は、人類のために役に立ったんだからね」
インフルエンザ・ウイルスと合体した新型プロメテウス・ウイルスは、感染力が非情に高く、ワクチンも特効薬もないため、一度感染者が出たら封じ込めることはできない。世界中に感染が広がり、急速な老化によって多くの人が死ぬことになる。原の狙いは、「進化」のために人類を絶滅の危機に陥れることだった。新型プロメテウス・ウイルスの感染蔓延によって、多くの人が死ぬ。しかし、その中からウイルスに適応して生き残る者が出てくる。そうして絶滅の危機を乗り越えた人間だけが、不老不死を実現できる——— それが原の言う“最後の審判”だったのだ。

原は、自らの過去を語る。“悪魔の子事件”によって人生をめちゃくちゃにされた原は、父の茂吉を憎んだ。その後、原は茂吉が遺したノートを見つけ、父の真意を知る。原は生まれつきウイルスに対する免疫力が弱い体質だった。茂吉はそんな息子のために呪われた研究に手を染めてしまったのだった。自分の存在自体が両親を殺したと思い込んだ原は、茂吉の研究を受け継ぐことを決意した。
「人類は、増えすぎた人口によって食糧危機と環境破壊という滅亡の一歩手前に立たされている。今こそ、この革命が必要なんだ」
ウイルスによる最後の審判で、未来に生き残るべき人間を選別する。原は、自らも審判を受けるために、自分自身でウイルスを投与する。原の常軌を逸した行動に、驚愕する小比類巻と最上——— 。ウイルスを投与した原は、感染し、症状が出始める。穏やかに死を受け入れる原。そこにバイオテロ対策班が突入。原は隔離された後、死亡する。
一方、長谷部は捜査員たちとともに、パーティー会場に駆けつける。会場には、すでに西城が部下を連れて潜り込んでいた。長谷部は、招待客を避難させる。会場内を捜索すると、無数のウイルス入りチューブと爆弾が括りつけられたプロメテウス像が見つかる。爆弾が爆発するとウイルスが散布される仕掛けになっていた。爆発寸前で、長谷部はウイルス拡散装置を止める。すべてが終わった後、原の死を知らされたカーンは「人類は今日、未来をつかみ損ねたのかもしれない」とつぶやく——— 

ウイルスの漏洩は防がれ、西城や原の部下たちは全員逮捕された。小比類巻と最上にも感染はなく、星来も無事保護された。星来は精密検査の結果、免疫機能が平均的レベルとなり、普通の少女になっていた。
星来が6歳の誕生日を迎えた。モニター越しにいる亜美の冷凍遺体に語りかけながら、星来が20歳になった時に渡すバースデーブックにメッセージを綴る小比類巻。彼は14年後、亜美と一緒にバースデーブックを渡すと心に決めていた。
「あと14年、星来が20歳になる頃には、科学は驚くほど進歩していますよ」
小比類巻の言葉を受け止める最上。星来の誕生日を小比類巻、最上、長谷部、三枝、聡子(石野真子)が祝う。星来も、とてもうれしそうだ。
「コッヒー、ありがとう」
最上は科学を再び信じさせてくれた小比類巻に感謝する。小比類巻は、家族と仲間たちと一緒にいられる幸せをかみしめるのだった。

相関図 詳しくはこちら