STORY

#2

「恋が苦手なパンダと先輩」

2026.01.17

仕事も恋もどん底の編集者・柴田一葉(上白石萌歌)は、幼い頃から神と仰ぐ憧れのカリスマモデル・アリア(シシド・カフカ)のゴーストライターとして恋愛相談コラムを書く羽目に。恋愛になんて自信もない一葉は、“恋愛スペシャリスト”とウワサの准教授・椎堂司(生田斗真)に相談。ところが、一見クールなイケメンの司は、人間の恋愛にはまるで興味を示さない、野生動物の求愛行動が専門のとんだ変わり者で…。仕事も恋も野生に学べ!一葉は司がアツく語る動物たちの求愛行動をヒントに恋愛コラムを執筆。コラムは反響を呼び、休刊寸前の生活情報誌『リクラ』の部数もアップ。この調子なら休刊は免れるかも…と思いきや、鬼の編集長・藤崎美玲(小雪)は「次号でこの雑誌がなくなることを大々的に告知します」と、休刊に向け着々と準備を進め…。

プライベートでは5年付き合った彼氏・牧野真樹(三浦獠太)にフラれてしまった一葉。なんとか気持ちの整理をつけたものの、「引っ越し代がないから、しばらく住ませて」という真樹のお願いを断りきれず、しばらく泊めてあげることに。優柔不断な一葉を、先輩編集者・紺野幸子(宮澤エマ)は「甘い。私だったら、とっととたたき出してる」とバッサリ。勝気な性格が災いしてか、かれこれ5年以上彼氏がいない紺野は、同期でアウトドア雑誌の編集者・安原剛志(笠原秀幸)と顔を合わせればケンカばかり…。

一方、アリアは、一葉のコラムを読んで突然怒り出し、「この企画から降りる!」。マネージャー・宮田真悟(柄本時生)の説得でなんとか機嫌が収まるものの、アリアはコラムの内容に何やら不満がある様子…。

そんな中、次のコラムの相談が決まる。婚活中の30代女性からの相談で『マッチングアプリに登録するとたくさん連絡が来て、いろんな人と会うのですが、しばらくやり取りをしていると自然と連絡がなくなります。どうやったらちゃんと誘われますか?』。モテたことがない一葉は相談者の悩みがさっぱり理解できないが、紺野は「私はちょっと分かるな」と共感。紺野も同じ、結婚できないモテ女で…。
そんな中、司の身に緊急事態が発生!?一葉のスマホに司の助手・村上野乃花(片岡凜)から連絡があり、「柴田さん!助けて!」。一葉は慌てて研究室へ――!

どうすれば結婚できる?どうすれば恋愛上手になれる?一葉と司は、パンダの求愛行動から答えを導く!

以下、ネタバレを含みます。

司の助手・村上に呼ばれ、慌てて研究室にやってきた一葉。何かと思えば、「椎堂先生が落ち込んでるんで、励ましてもらえません?」。司は、観察対象だった野生のツキノワグマの求愛行動を見損ね、「何もかも手遅れになってしまった」と落ち込んでいて…。
一葉はあきれながらも気分転換に司を散歩に連れ出し、公園でスイーツを販売しているキッチンカーを見つけ、「あれ食べて元気出しましょう」。それは、クマの顔の形をした『クマちゃん焼き』。司は「形がクマなだけで味はタイ焼きだろう」と笑い飛ばすが、カスタード味の『クマちゃん焼き』を食べた途端、「ふははははははははははは!」と感動。「何だかこれを食べていたら、どうでもよくなってきた。この世界には他にもたくさんのクマがいる。もっと素敵な出会いがあるさ。おかげで吹っ切れた。ありがとう」と言って帰ってしまう…。

司にコラムの相談をするタイミングを逃してしまった一葉は、アリアの意見も聞いてみたくて宮田に連絡。するとアリアがいきなり編集部にやって来た。有名人の登場に編集部が騒然となる中、アリアは一葉のデスクにドカッと座り、「なんか話あんでしょ?」。一葉は圧倒されつつ、読者の悩みを相談。するとアリアは「しょうもな。こういうやつは恋愛でも仕事でも受け身のやり取りしかしてこなかったやつだ。ただ選ばれるのを待ってるやつは、永遠に選ばれない」と切り捨てる。まるで自分に言われている気がして胸が痛い一葉で…。

一方、司は『クマちゃん焼き』にハマり、仕事帰りに再びキッチンカーに立ち寄る。味はカスタードの他にも3種類あり、店主・熊田大輔(今井隆文)は「味によって、クマの種類が違うというコンセプトでして」。それを聞いた司は研究者の血が騒ぎ、「当ててみせよう」と、それぞれのコンセプトを推理。カスタードは黄色=月の色だから『ツキノワグマ』、白あんは『ホッキョクグマ』、餡子は黒いので『アメリカクロクマ』…と見せかけて微妙な茶褐色なので『ヒグマ』だ。次々と正解する司。しかし、最後の抹茶だけは分からず…。熊田は「正解は…パンダです。パンダって笹食べるでしょ。だから笹の緑で抹茶に」。その発想に司は感激し、「素晴らしいアイデアじゃないか!マスターも動物好きとみた。ならばもう同志だな」と、戸惑う熊田と固い握手を交わす…。

「先輩、気持ち分かるって言ってましたよね」。一葉は今回の恋愛相談について紺野の意見も聞いてみる。取材先でいろんな人から誘われるモテ女の紺野も、食事に行ったり飲みに行っても後が続かないと言い、「たぶん、この人って決めきれなくて、全員に中途半端な態度を取ってるのかも。分かってはいるんだよね。恋人がほしいって言ってるくせに結局いろいろと理由つけて、ごまかしてるの」。一葉が「もしかして元カレが忘れられないとか?」と聞くと、紺野は「ちょっと違うけど、そんなとこ」。何かを隠している様子の紺野に引っかかる一葉。30代になると、環境とかこれまでの経験とか、いろんな要素が邪魔をして、20代の時みたいに“好き”だけでは動けなくなってしまっている…。それはきっと紺野だけじゃない、今回の相談者も同じのはずで…。みんな、『恋に落ちるのが下手』なのだ。
夜中、一葉のスマホに姉・柴田一花(筧美和子)から電話がくる。4月に結婚式を挙げるらしい。「えっ!?お姉ちゃん、彼氏いたの?」。彼氏がいたことすら知らなかった一葉は驚きつつ、「その結婚する人と付き合う時、元カレと比べたりしなかった?」と、コラムのヒントになりそうな話を聞き出そうと、つい長電話をしてしまう…。

翌日、ランチで外に出た一葉は、安原と鉢合わせ。何とは無しに姉が結婚することを伝えると、「俺も結婚するんだよ。来年」と安原。「そうなんですか!おめでとうございます!」と祝福する一葉は「けど意外だなあ。安原さん、てっきり紺野先輩のことが好きなのかと思ってたんですよ」。途端に押し黙る安原。「……好きだったよ」。実は安原は、入社してすぐに紺野を好きになっていた。でも紺野の方にその気がなさそうだったから諦めたという。「俺、あいつとの今の関係も結構好きだったから、それを壊したくなかったんだよな」。そんな話をしながら会社に戻ると、紺野とバッタリ。「何の話してんの?」と聞く紺野に、安原は「俺、今度結婚することになったんだわって話」。紺野は一瞬複雑な表情を浮かべた後、「マジか!おめでとう!何で黙ってたのよ!」といつもの調子で明るくツッコむが…。安原が去った後、紺野は一葉と2人になると、号泣してしまう…。紺野も安原のことがずっと好きだったのだ。でも、言いたいことが言い合える関係を壊したくなくて、なかなか気持ちを伝えることができなかった。モタモタしているうちに父が病気で他界。母と2人になり、将来のことや母親の介護のことなど考えることが増えて、そんな状態で告白しても安原の負担になるだけだと思って気持ちにふたをしてしまったのだ。安原を諦めるためにいろんな人と会ってみても、やっぱり安原と比べてしまう…。「告白したからってあいつが受け入れてくれるかどうかは分かんなかったけど。だって、両想いになるなんて、奇跡みたいなもんでしょ」。寂しそうに言う紺野に、一葉は「どうして私たちはこんなにも恋が下手なんでしょうね」――。

一葉は司にコラムの相談をする。「きっと人間だけですよね、恋に落ちるのが下手なのは」。司は「動物にもいるにはいるが。正確に言うと、人間から勝手に恋が下手だと言われていた動物だが」と、一葉が食べている抹茶味の『クマちゃん焼き』を指し、「ジャイアントパンダだ」。パンダと聞いてテンション爆上がりの一葉は「ぜひ教えてください!」と目を輝かせる。「分かった……それでは、野生の恋について話をしようか」――。

かつて一部の研究者はパンダのことを恋愛不適合の動物と呼んでいた。パンダの発情期は他の動物に比べて極端に短く、メスのパンダが妊娠できる期間は1年のうち数日しかない。そのため動物園でパンダの繁殖を試みて発情期にオスとメスを同じ檻に入れても、お互いにまるで興味を示さなかったからだ。だが、後の研究でそれがひどい言い掛かりであることが判明した。パンダには、発情するために必要なものがあったのだ。愛のシグナルというか、恋に落ちるための魔法というか…。「何ですか、そのステキな魔法って」。興味津々に聞く一葉に、司は「尿だ」。発情期のパンダのメスの尿にはオスを発情させるフェロモンが含まれ、オスはその匂いを嗅ぐことでスイッチが入る。動物園のパンダに足りなかったのは、このスイッチだった。試しに動物園の木や壁に発情したメスの尿をかけたところ、オスが積極的に求愛するようになった。つまり、パンダは恋愛不適合どころか、1年のうちたった数日の発情期にピンポイントで効率的に恋を成就させる、恋愛上級者だったのだ。さらに、尿でメッセージを伝えるのはオスも同じ。オスはできるだけ高い位置に尿をマーキングして、カラダの大きさをアピールする。「その競争の行き着く先に生まれた究極の技がこれだ!」と、突然ガバッと逆立ちする司!尿を高くかけるため、パンダはこうして逆立ちまでするのだ!「奇跡を起こすために、パンダはここまで必死に相手にシグナルを送る。人間はここまでしているか?」――。確かに、紺野も安原も、勝手に自分でブレーキをかけて、手を伸ばせば届くところにあった奇跡を見逃していたのかもしれない…。そう気付いた一葉は「ありがとうございます!」と礼を言って研究室を飛び出すと、編集部に戻って一心不乱にコラムを書き始める――。『パンダのメスは尿で自分がパートナーを求めていることを伝える。きっとあんたはそれなりに美人なんだろう。だからたくさんの男から声をかけられる。でもそこから先に進めないなら、そんなものはゴミだ。選ばれるのを待ってるやつは永遠に選ばれない。私たちには相手を発情させるサインなんて便利なものはない。だから必死に考えろ。勇気を出して伝えろ。思い切り自分の気持ちを叫べ!それで、あんたの世界は変わる』――。

紺野は同期会に出席し、みんなと一緒に安原の結婚を祝福。未練を断ち切り、真剣に婚活を始めることに決めた。リクラの部数もさらに上がり、一葉は藤崎から「今回の灰沢アリアのコラムも大変好評でした」と褒められる。…が、「ただ、あの企画はあなたが考えたものではなく、紺野さんが発案したと聞きましたが?あなたがやりたい企画は何?」。答えられない一葉…。「与えられたことをやっているだけでは、仕事をしているとはいいません。やりたいことがないなら、今すぐ辞めなさい。以上」。そう言ってニコッとほほ笑む藤崎で…。

ムカついた一葉は司の研究室で愚痴をぶちまける。「これもうパワハラですよね。こっちは睡眠時間を削って、必死に仕事してるっていうのに!も~、転職しようかな~」。すると司が突然、一葉に顎クイ…!ドキッとする一葉に、司は「確かに相当顔が疲れているように見えるな。まるで餌にありつけず、飢えたヌートリアのような顔だ」。飢えたヌートリアの画像を見せられた一葉は「はあああ!?」。

その頃、アリアは一葉のコラムにある『椎堂司』の名を指し、宮田を問い詰める。「こいつを紹介したの、おまえなんだって?まさかあいつに3年前のこと話してないよな?答え次第じゃ、あたしはお前を許さない」――。