
「モテない私はオオカミに似ている」
2026.2.7
仕事も恋もどん底の編集者・柴田一葉(上白石萌歌)は、変人動物学者の椎堂司(生田斗真)がかつて『ツカサ』という名前で活躍した人気モデルだったと知ってびっくり!しかも一葉の憧れのカリスマモデル・灰沢アリア(シシド・カフカ)もそれを知っていたようで…。一人だけ何も知らずに司に恋していた一葉は、勝手に舞い上がっていた自分が恥ずかしくなってしまう…。一方、司は夜のバーで謎の女(草刈民代)と会い、「私はもう、あの世界に戻るつもりはありませんから」と告げるが…。
恋愛にうつつを抜かしている場合じゃない!一葉は気持ちを断ち切るために仕事に集中。好きなファッションを切り口にした企画をバンバン書くものの、鬼の編集長・藤崎美玲(小雪)は「すべてボツです。編集は趣味の発表会じゃないんです」とバッサリ…!
やっぱりこの仕事は向いてない?落ち込む一葉の気持ちとは裏腹に、恋愛相談コラムの評判は上々。次号の相談内容は、『今の彼とは気が合うのですが、激しい恋愛感情がありません。このままだと本物の恋を知らず、人生が終わってしまう気がします。だからといって彼と別れたら、次はいつ恋人ができるか分からない。私はどうしたらいいでしょうか?』。今いる場所が不安、でも次に行くのはもっと不安…。20代女性のリアルな悩みに編集部のみんなが共感する中、一葉の後輩・杉田蓮(髙松アロハ)は「やりたいことをやらないで後悔したくない」と退職届を提出。今後は語学力を生かしてインバウンド向けの観光ガイドをしたいという。
杉田の決断力と行動力がうらやましい一葉。自分だってずっとやりたかったファッション誌の仕事に挑戦してみたい気持ちはあるけれど、今の仕事を手放すことも不安で…。
そんな一葉に、アリアから呼び出しが!先日、アリアの過去を詮索して怒らせてしまった一葉は、恐る恐るアリアのマンションへ向かうが…。さらに、司から突然、デートのお誘いがあり…一葉の恋が急展開!!
そして、衝撃の事実が明らかになってくる!司とアリアの間に一体何が!?司に迫る謎の女の正体は!?
藤崎の意外すぎる素顔も…。後悔しないために、一葉が選ぶ道とは…!
司が会っていた謎の女の正体は、司の母で有名デザイナーの椎堂ケイカだった!ある目的のためにフランスから戻ってきたケイカは、司に恋をしろと助言。「求愛は動物にもある。恋をできるのは人間だけ。そんな特権、楽しまないなんてもったいないわ」と笑うケイカで…。
一方、アリアに呼び出された一葉。何の用かと思えば、テレビ番組の企画でしばらくウサギを預かることになったため、一葉に世話をしてほしいという。面倒な仕事を押し付けられたものの、いつものアリアに戻っていてホッと一安心の一葉は、マネージャー・宮田真悟(柄本時生)から「アリアにモデル時代の話は絶対にしないでください」とクギを刺されてしまい…。それほど隠したいアリアの過去って一体…!?
司は『クマちゃん焼き』のマスター・熊田大輔(今井隆文)のお手伝いをしたお礼に、水族館のチケットを2枚もらう。ちょうど希少な展示をやっているため、「2回も見に行けるなんて」と感激する司に、助手の村上野乃花(片岡凜)が「2枚あるんだし、柴田さん、誘ったらいいじゃないですか」。渋る司をよそに、村上は一葉にLINEを送ると、一葉と司のデートの約束を勝手に取り付けてしまう…。
そうとは知らず、司に誘われたと思ってニヤけっぱなしの一葉は、勘のいいアリアに「男だな」と見透かされ、「今度の土曜日、デートすることになって」と自白。でも、宮田からモデル時代の話を禁止されているため、相手が司であることはナイショにしてしまう…。
デートに臨む一葉のために、アリアが服装をコーディネート。普段とは違う大人っぽい服を選んでもらった一葉は「なんか自分じゃないみたい」と恥ずかしがるが、「これもあんただ」とアリア。「服は表情も、心も変える。あんたはこういう服も似合う。灰沢アリアが選んだんだよ。自信持ちな」。アリアに言われて自信が出てきた一葉は、鏡に映る自分を見て心が弾み…。するとアリアが「あんた、ほんとに服が好きなんだね。だったらファッション誌の知り合い紹介してやろうか?」。思いがけない展開に一葉は喜ぶが…。
デート当日、一葉は司のリアクションに期待するものの、司は服にまったく触れてくれず、水族館の展示に夢中。「ビッグベリーシーホースはオスがメスから卵を受け取って育てる」とか「ミズダコの繁殖は一生に一度だけ」とか「アカミミガメの求愛行動はビンタだ」とか、魚の求愛行動の話ばかり。いつの間にか司の周りにはうんちくを聞こうとして人だかりが。
もはやデートとはいえない状況に一葉はあきれつつ、楽しそうに講義する司を見て、「先生って、本当に好きなことを仕事にしてるんですね。やっぱり、私もそうするべきなのかな」。ファッション誌の仕事に移るべきか悩んでいることを打ち明ける一葉。思い切ってモデル時代のことを聞いてみると、司は「母があの業界にいて、その流れでやることになっただけだ」。
その頃からモテモテだったという司は、断るのが面倒だったという理由でいろんな女性と付き合ったが、ほとんど長続きせず、ちゃんと続いたのは1人だけだという。「今の君のように、私がする求愛行動の話を、いつも楽しそうに聞いてくれた」。なんとその女性は――「灰沢アリア。彼女だけだよ。付き合ってよかったと思えた女性は」――。だから、完成した初回のコラムでアリアの名前を見た時は驚いたという。ショックの一葉は「コラムに協力してくれるのは、アリアさんのためだからですか?」。一葉の問いに、司は何も答えず…。
翌日、アリアから「デートの報告をしろ!」とスゴまれた一葉は、司とデートしたこと、司とアリアの関係を聞いてしまったことを白状する。アリアは「確かに司と付き合ってた。でももう15年も前。とっくに終わった話だ」。
コラムのことも宮田が勝手に司に頼んだだけ。今まで司との関係を黙っていたのも、言う必要がないと思ったからだと言うアリア。「だいたい、司と付き合ったのは1年だけ。遊びの中の1人に決まってんだろ。それより、ファッション誌の話、どうする?自分の人生だろ、とっとと決めな」。決断を迫られる一葉だが…。
一葉はアリアのウサギの餌を買うためにショッピングモールに行き、藤崎とバッタリ鉢合わせ。いつもと違ってヨレヨレの服で完全オフモードの藤崎は、娘・理恵(西川愛莉)を連れていて…。実は結婚していた藤崎。
5年前に離婚したというが、「あの人と出会えたことは、今でもよかったと思ってる。だって、娘が今ここにいるから」。藤崎はそう言うと、「今日のことは会社には内緒で。以上」と娘を連れて去って行き…。
杉田の退職の日。「新しい仕事に全然不安はない?」と聞く一葉に、杉田は「不安はないです。ただなんとなく今の仕事を続けるより、自分が本当にやりたいと思ったことを思い切ってやった方が楽しいじゃないですか」。一葉はその言葉をかみ締めつつ、会社を去る杉田をみんなと一緒に拍手で送り出すと、コラムを仕上げるために司の研究室へ向かう。「今回の悩みは『恋人がいるけど、それが本当の恋なのか分からない。ただ別れるのも不安』……つまり、ずっと同じパートナーでいいのかっていう悩みで」。求愛行動というよりはパートナー成立後の行動についての悩みではあるが、司はしばし思案すると、「その悩みにはオオカミが答えを出してくれるだろう。それでは…野生の恋について話をしようか」――。
動物の世界では、求愛行動の末にずっと同じパートナーと暮らす種と、そうでない種がいる。中でも哺乳類は、ずっと同じパートナーと暮らす動物は3パーセント程度しかいないといわれている。哺乳類の子どもは母乳で育つため、例えば鳥類のようにオスが餌を集めてくる必要がない。だから哺乳類のオスは子育てをメスに任せ、遺伝子を残すために別のメスを探しに行ってしまう。そんな中で、パートナーを変えない数少ない哺乳類の代表的な動物が、オオカミだ。司は「ある学説では、単独で行動し、生息域が広範囲に散らばっている動物はパートナーを変えない傾向が高いといわれている」。なぜならそのような動物はオスとメスが出会う確率が低いため、1つの出会いを大切にし、添い遂げることを選択するのだ。「でもオオカミって群れをつくるんじゃないんですか?」と一葉。実はオオカミの群れは、パートナーであるオスとメス、その兄弟や子どもたちで構成されていて、子どもは成熟すると群れを離れ、一匹狼となって新たなパートナーを探しに出かける。きっとどこかに運命の相手がいると信じて…。「オオカミにとって出会いは切実な問題だ。それに比べて人間は甘えすぎている」と司。人間は外に出ればたくさんの異性がいて、仕事だって無数の選択肢がある。でも多すぎるせいで、かけがえのない大切な出会いを見失ってしまう…。「群れの中にいるせいで、出会いが貴重なものだということを忘れてしまうんだ。だからもっと出会ったことの奇跡を大切にするべきだ。オオカミのように」――。「先生、それは私に言ってますか?」。司の言葉が自分に向けられていると感じた一葉は、何も答えない司に、深く頭を下げる――。
司のアドバイスをもとに書いた一葉のコラムはまたも反響を呼び、SNSでも過去最高のコメント数とインプレッション数を記録。藤崎は「柴田さんの文章が人の気持ちを動かしたんだと思います。数字はあなたの仕事に説得力を与えてくれます。この結果があれば、どこへ行っても歓迎されるでしょう。柴田さん、あなたの未来は、あなた自身が決めなさい」。藤崎の言葉を受け止める一葉は、何かが吹っ切れたように、司のもとへ走り出す――。
息を切らして研究室に向かった一葉は、帰ろうとする司を呼び止め、「どうしても先生に今日中に伝えたいことがあるんです」。今までファッション誌の編集者になれなかったことを嘆き、だからといって今の会社を辞めることも出来ず、文句ばかり言って何となく過ごしてきた。だけど――「私、思ったんです。仕事ができる人って、好きなことを仕事にした人でも、嫌いなことを努力できた人でもなく、その仕事に適応した人なんじゃないかって」。コネでファッション誌の編集になっても、きっとうまくいかない。だけど今の仕事は、続けているうちに少しずつ面白さが分かってきて、今では自分のコラムを待ってくれている人もいる。「私は、今の仕事に出会えたことを、大切にしたいと思いました。だから、辞めません。それを気付かせてくれたのは、先生だから。先生のおかげで、私はちょっとだけ変われた気がします。椎堂先生……私……」。一葉があふれる気持ちを言葉にしようとする前に、司が口を開く。「君は、私にとって特別な存在だ。君は余計な恋愛感情を交えず、ちょうどいい距離感で接してくれるから安心する。あんな風に気楽に出かけられる友人はいなかった」――。“友人”という言葉にがくぜんとする一葉。思わず涙が込み上げてしまう…。「どうした?」と戸惑う司に背を向け、泣きながらその場を後にする一葉で――。