
「カンガルーのように受け入れて」
2026.2.14
「あんなふうに気楽に出かけられる友人はいなかった」――。仕事も恋もどん底の編集者・柴田一葉(上白石萌歌)は、変人動物学者・椎堂司(生田斗真)に気持ちを告白しようとする矢先、司から“友人”と言われてしまって大ショック…。告白する前にフラれてしまったも同然の一葉は、かなわぬ思いを断ち切るために、司とはもう会わないと決断!
気持ちを切り替え、一心不乱に仕事に励む一葉。次号のコラムの恋愛相談は、推し活をしていることが後ろめたい料理人の男性から。『恋人と結婚を考えているけど、彼女に隠れて地下アイドルの推し活をしていることを正直に話すべき?』。いつもなら真っ先に司の研究所に飛んで行くのに、司に会いたくない一葉は相談内容をメールで送信。司と顔を合わせることなくコラムを仕上げようとするが…。
人間の恋に疎い司は、急に素っ気ない態度になった一葉の気持ちがさっぱり分からず、他人行儀なメール内容にイライラ。そんな司のもとに、念願だった講演会の依頼が舞い込む。「ようやく私の研究が世に届き始めた」と上機嫌で引き受ける司。でも講演会に集まったのは、ほとんどが『リクラ』の読者。司の耳に届くのは、一葉が書いたコラムの評判ばかりで…。
一方、一葉の憧れのカリスマモデル・灰沢アリア(シシド・カフカ)は、ファッション誌で3年ぶりのモデル復帰が決定!恋愛コラムや動物番組の出演など、最近のアリアの活躍を見た司の母で有名デザイナー・椎堂ケイカ(草刈民代)が直々に指名してきたのだ。一葉のおかげで再ブレークのチャンスが巡ってきたアリアは、「あんたのおかげだ。だから、今度は、あたしが頑張る番」と一葉に再起を誓うが…。
そんな中、鬼の編集長・藤崎美玲(小雪)が若い男に騙されているという噂が!?藤崎の娘・理恵(西川愛莉)から「ヤバそうな男と付き合ってるみたい」と相談を受けた一葉は、藤崎の行動を探り始め…。さらに司とアリアが15年ぶりに再会してしまい…!揺れる一葉の恋心!波乱の第6話!!
藤崎がホストにダマされてる!?藤崎のスマホをこっそりのぞいてしまった娘・理恵から相談を受けた一葉は「あの編集長に限って…」と疑いながらも、藤崎の行動が気になり始める。一方、モデル復帰が決まったアリアは、撮影に向けてトレーニングに励むものの、鏡に映る自分の姿を見て「…完璧じゃない」。
そんな中、一葉はアリアのマネージャー・宮田真悟(柄本時生)から厄介な頼み事をされる。アリアが出演している動物番組のプロデューサーが、司を番組に出演させたがっているというのだ。ちょうどアリアがお休みの回のため、2人が顔を合わせることはないらしいが…。司の説得を頼まれた一葉は、断り切れずに司の研究室に足を運び、番組出演をお願いする。司は「動物は研究対象であって、茶の間の娯楽ではない」といつもの調子で出演を拒否するものの、助手の村上野乃花(片岡凜)が「椎堂先生にもっと露出してもらえば、来年度の学生が増える。閉鎖寸前の生物学部を救うためにも出演しましょう」とフォローすると、「出ればいいんだろう、出れば。ただし、君もついてこい。誘った以上、しっかり見届けろ」と、一葉も収録に付き添うことを条件に渋々承諾する…。
ところが、収録当日、来ないはずのアリアがスタジオに現れて――!
アリアがお休みだというのは宮田の真っ赤なウソだった!モデル復帰に不安を抱えるアリアの気持ちを察した宮田が、司と会えばかつての自信を取り戻してくれると思い、アリアに内緒で勝手に仕組んだことだったのだ。15年ぶりの予期せぬ再会に司とアリアはピリピリムード。相変わらず人の感情を逆なでするような言い方しかできない司に、アリアが「15年前と何も変わってねえな!ここはあんたの来る場所じゃない!」とブチ切れると、司も「君こそ。なぜこんな場所にいる。君の仕事はモデルのはずだ」と反論。怒ったアリアはスタジオを出て行ってしまい、収録は台無しに…。勝手に司を呼んだ宮田に、アリアは「おまえは何も分かってない!あたしは、あいつと別れる時、約束したんだ。こんな形で、あいつと、会いたくなかった」と肩を落とし――。
司とアリアの間に特別なものを感じた一葉は、自分の気持ちにフタをして、司の存在をますます遠ざけてしまう…。そんな状態で中身の濃いコラムが書けるはずもなく、出来上がったコラムを読んだ藤崎は「いつものキレがない。それに動物の情報が薄すぎます」と一葉に書き直しを命じると、足早に会社を出て行き…。
司のことを諦めようとすればするほど仕事に支障が出てしまう…。頭を抱える一葉のスマホに、藤崎の娘・理恵から連絡が。「柴田さん、今、母親を尾行中なんですけど」。ちょうど今、藤崎と例のヤバそうな男がレストランで食事をしているというのだ。現場に駆け付けた一葉は、会社では見せたことがない藤崎の楽しそうな姿を目撃して驚いてしまう。……と、藤崎に尾行がバレた!「どうして、あなたたちが一緒に、しかもここにいるのですか?」。藤崎にスゴまれてアタフタする一葉の横で、理恵は正直に「柴田さんは悪くない。
私がスマホ見たの。それでヤバい男にダマされてるって相談したの」。すると藤崎は、勝手にスマホを見たことを怒ることなく、「悪いのは、すべて私です。理恵、あなたに大事なことを隠してて、本当にごめんなさい」と謝罪。実は一緒にいた男はホストでもなんでもなく、駆け出しの舞台役者・桐生颯だった。チャラチャラした格好は、単なる役作り。取材をきっかけに知り合ったという藤崎は「私は、彼が好きなの」。夫と離婚してから、理恵にこれ以上つらい思いをさせないために、母親としてしっかりしようと頑張ってきたし、そもそも恋愛なんて、もっての外だと思っていた。でも、夢に向き合う桐生のひたむきな姿を見ているうちに、気が付いたら好きになってしまっていた…。「軽蔑した?」と言う藤崎に、理恵は「……しない。ママが本当の気持ちを言ってくれて、安心した」。パパと離婚してから、ママは仕事も家のことも1人で全部やってくれた。どんなに疲れていても、私の相手をしてくれた。そのことはすごく感謝しているという理恵。「でも、私ももう中学生だよ。ママはママの幸せを考えてほしいよ。ただもう隠し事だけはしないで。ね、約束」。理恵の気持ちに、笑顔で応える藤崎。本音が言い合えずにギクシャクしていた親子関係が、ようやく雪解け始めて…。
一葉が自宅に帰ると、居候の元カレ・真樹(三浦獠太)が慌てて駆け寄って来て、「一葉、お客さん」。なんと、部屋に司が!「忘れ物を届けに来た。これ、君のだろう?」と、一葉にタブレット端末を渡してくる司。
助手の村上から一葉のタブレットだと言われたらしいが、一葉は「えーっと……違います」。どうやら、2人を仲直りさせたい村上がウソをついたようだ。ダマされたことに気付いて帰ろうとする司。見送ろうともしない一葉に、真樹が「いいの?せっかく来てくれたのに。先生、一葉と話したいから来たんだと思う。そうじゃなきゃ2時間も待ってないよ」。2時間も…。それを聞いた一葉は急いで司を呼び止め、せっかくだからと、この場でコラムの相談をする。「今回の相談ですが、料理人の男性が、恋人の女性に自分がアイドルの推し活をしていることを話すべきか、どうかっていうもので…」。『推し活』という言葉を知らない司にイチから説明する一葉は、「私は悪いことだとは思わないんです。むしろ普段、料理人として真面目に働きつつ、アイドルを真剣に応援しているギャップも魅力だと思うんですけどね」。すると司は「ギャップか。それなら答えられそうだ……では、野生の恋について話をしようか」――。
「世間のイメージとギャップのある求愛行動を行う動物は数多くいるが……やっぱり、カンガルーだろう」と司。愛らしいイメージのカンガルーだが、植物から筋肉に必要なアミノ酸を合成できるため、草食動物だが筋肉が発達している。そして発情期になるとメスを巡ってオス同士は激しく争う。ボクシングのように前足で殴り合い、両方の後ろ脚を使ったキックで、時には相手を死に至らしめることも。「だが、もっと重要な求愛行動が他にある」。オスはメスの尻のにおいを嗅いで、受け入れ態勢にあることを確認すると、後ろからそっとメスに近づく。そして彼女の尻尾を両手でつかみ、軽く地面に押し付けて動きを止め、優しくなでる。
まるで宝物を扱うように、ソフトに…。つまりカンガルーは、筋肉でアピールしたり、優しさでアピールしたり、ギャップを使って相手の気を引くのだ。「そして、そのギャップも含め、すべてを受け入れた時、ペア形成が起こる」。自分のギャップをさらけ出し、相手のギャップも受け入れる。それができたら、真実の愛をつかむことができる――。カンガルーの求愛行動からコラムのヒントを見いだした一葉は、「ありがとうございます!これでコラムが書けそうです!」。
「じゃあ、私はこれで」。カンガルーの話を終えて帰ろうとする司は、ふと足を止め、「先日のテレビ出演の件だが……せっかく声をかけてもらったのに、あんなことになってしまい、すまなかった」と柄にもなく一葉に謝ると、「君のコラムのおかげで、講演会もできて、来年度の生徒も見込めて、研究が続けられそうだ。君には……とても、感謝している。コラムの最終回までしっかり協力する。だから……。だからメールではなく、ちゃんと研究室に来なさい。待っている」。一葉はうれしくて、「はい!分かりました!」――。
翌日、編集部でコラムを書き上げた一葉のスマホに、アリアからLINEが届く。内容を読んだ一葉は驚き、一目散に編集部を飛び出して――。
その頃、雑誌『Rena』の撮影現場では、モデル復帰を果たすはずのアリアが楽屋に閉じこもってしまい、見学に来たケイカに宮田が平謝り…。
そこに一葉が駆け付ける。アリアからのLINEには一言、『たすけて』と書いてあったのだ。一葉が楽屋に入ると、アリアは部屋の奥でおびえたように震えていて…。「今のあたしは、カメラの前に立てる人間じゃない……自分が一番分かってる……モデルに戻るのは、まだ無理だ……ホント嫌になる……マジでダサい……」。そう言って涙を浮かべるアリアに、一葉は「ダサくなんてないです。完璧じゃない今の灰沢アリアが、私は好きです。それにまだ無理って言えるのも、前を見てる証拠です。今日は立たなくていいです。立てる日に立ちましょう。私は、その日まで待ちます」――。
一葉はケイカと担当編集者に事情を説明。アリア自身が納得できる時まで待ってほしいと頼み、宮田も「今回の件は、事務所としても責任取りますんで!」と頭を下げる。微動だにしないケイカは「いいんじゃない。自信がないモデルに、私の服は着てもらいたくない」と撮影中止を宣言すると、一葉の前に立ち、「あなたね。うちの司を惑わしてる女って」――。