STORY

#7

「スカイダイブで抱きしめて」

2026.2.21

「あなたね。うちの司を惑わしてる女って」――。
一葉(上白石萌歌)は、変人動物学者・司(生田斗真)の母でファッション業界の重鎮・ケイカ(草刈民代)に睨まれ大ピンチ…!一葉のことが目障りなケイカは、司に忠告。「恋をしろと言ったけど、あの子はやめておきなさい。だって平凡すぎるもの。まるであなたの父親みたい」――。

一葉のコラムが評判を呼んで新しい読者層を開拓した『リクラ』に、65歳男性から恋愛相談が舞い込む。『結婚して35年。妻にはずっとないがしろにされてきましたが仕事をすることでプライドを保ってきました。ですが定年を迎え、子どもたちも独立し、この先、妻と2人きりでやっていけるか不安です』。結婚を知らない一葉は副編集長・斉藤(平山祐介)に意見を聞こうとするものの、斉藤は無精ひげに髪も乱れ、なんだかやつれ気味。本人は「忙しくて昨日、会社に泊まったんだよ」と言い張るが、何やら家庭に問題を抱えているようで…。

一葉のもとに姉・一花(筧美和子)から連絡が。福島の両親がケンカして離婚すると言い出したらしい。どうせいつもの痴話ゲンカと思って気にも留めない一葉。
一方、カメラマンの環希(仁村紗和)は、「一緒に生きていきたい人がいる」という弟・謙太から相手を紹介されるが、現れたのは謙太の幼馴染・彰で――。
モデル復帰をドタキャンしてしまったアリア(シシド・カフカ)は、謝罪行脚に奔走。実は今回の復帰は、ケイカとマネージャー・宮田(柄本時生)が1年前から計画していたことで、『リクラ』のコラムを受けたのも、テレビ出演も、モデル復帰のための布石だったのだ。それなのに復帰をぶち壊してしまったアリアは「私はもう昔の灰沢アリアじゃないんです」とケイカに謝罪。するとケイカは「知ってるわ。私が気付かないわけないでしょ」――。アリアの身に、一体何が…?

そんな中、一葉の両親の離婚危機を知った司は「すぐに実家に帰るべきだ」と、珍しくおせっかいを焼き、一葉を連れて福島へ!一葉と司は恋人のふりをして、両親の熟年離婚を阻止しようとするが…!

大切な人とずっと一緒にいるためには何が必要?
夫婦円満の秘訣は……ハクトウワシのダイブにあり!一葉と司の関係も急変!
そしてアリアの元に怪しい週刊誌の記者が…アリアの身に何が!?

以下、ネタバレを含みます。

福島の実家へ帰るため、司の車で上野駅へ向かう一葉。ところが、車両故障の影響で新幹線がストップしていたため、そのまま司の車で郡山まで行くことに。「ご両親が離婚を言い出した心当たりは?」。司にケンカの原因を聞かれた一葉は、「それが全然なくて」。キャベツ農家として夫婦二人三脚で頑張ってきた父・吾郎(尾美としのり)と母・真紀(美保純)。離婚という言葉が出てくること自体が一葉には信じられない。司は「夫婦の破綻など、前触れもなく表面化するものだ。私の両親は、中学の時に離婚した」。司が中学2年生の時に、父が突然、『君には僕よりもっとふさわしい相手がいると思う』という置手紙と離婚届を残して家を出てしまった。両親がかみ合っていないことに気付いていながら見て見ぬふりをしていた司は「2人が離婚した後、何もしなかったことをとても後悔した。父に、さよならさえ言うことができなかった……。君には後悔してほしくない」。司の思いを、一葉は静かに受け止める。

一方、弟の同性愛を知って動揺する橘は、自分たちの関係を誰にも言えないという謙太と彰に、「覚悟が足りない」と厳しいことを言ってしまう。それを真に受けたのか、保育士をしている彰は職場で自分のことをすべて打ち明けるが、保護者からの心無い言葉に傷つき、行方をくらましてしまう。責任を感じた橘は、謙太と一緒に彰を捜し回るが…。

一葉と司は福島の実家に到着。しかし、父・吾郎は一葉の顔を見るなり、「一花に頼まれたんだべ。悪りぃけど何言っても無駄だぞ」と取り付く島もない。このままではラチが明かないと判断した司は、「はじめまして。一葉さんとお付き合いをしております椎堂です」と、まさかの恋人宣言!驚く一葉をよそに、司は「私がどうしてもご両親にあいさつしたいと、一葉さんにお願いしたんです」と言葉巧みに吾郎の懐に入り込み、家に上げてもらうことに成功。イケメンの婿候補に母・真紀も大喜びするが…。一花の言う通り、吾郎と真紀は顔を合わせるなり口ゲンカ。「畑行ってくる!」「そのまま一生帰ってくんな!」と、ののしり合いが始まり…。

「何があったか教えて」。ケンカの原因を聞く一葉に、真紀は「絵だ」。真紀が言うには、吾郎は最近、真紀に内緒で絵画スクールに通い始め、若い先生に熱を上げているらしい。しかも夫婦でコツコツためてきたおカネを高価な画材につぎ込み、部屋を改造してアトリエにしてしまったのだ。「1個許せないことが出てきたら、次々嫌なところが見えてきて。熟年離婚ってこういう気持ちなのかってよく分かった」と真紀。すると吾郎は「だったら離婚すっか」。真紀も「離婚すっぺ」と売り言葉に買い言葉。一葉と一花は困り果て…。そんな中、司はアトリエに置いてある1枚の絵に目を留める…。

その頃、終業時間が過ぎて誰もいなくなったリクラ編集部に、帰宅したはずの副編集長・斉藤がこっそりコンビニ弁当と缶ビールを持って戻って来る。実は斉藤は、ここ数日、妻とケンカして家に帰っていないのだ。それを見抜いていた編集長・藤崎(小雪)が斉藤を待ち構えていて、「奥様とケンカしたんでしょう。原因はなんですか?」。斉藤は「あっちが悪いんすよ。俺が仕事でヘトヘトなのに、息子の塾のお迎えかなんかでメシも作らねえで。だから『誰が稼いでると思ってんだ』って言ったら、キレやがって」。その瞬間、藤崎は鬼の形相に!「おい、主婦、なめんなよ。メシ1食作らなかったぐらいでガタガタ言うな。あんたが安心して働けんのは、奥さんが家事を全部背負ってくれてるからだろうが。一人で稼いでると思ってんじゃねえぞ。今すぐ帰って、奥さんに土下座しろ!」。縮み上がる斉藤は「は、はい!」とダッシュで家に帰り…。

橘と謙太は彰を発見。彰は、2年前に謙太と再会した思い出の場所にいた。「私が余計なこと言ったせいだ。本当にごめん」と謝る橘に、「環希姉のせいじゃない」と彰。打ち明けたのは自分の判断、でも保護者から非難されるとは思っていなくて、どうしたらいいか分からなくなって途方に暮れていたという。そんな彰の肩を抱く謙太は「なんか、あの時のこと思い出すな」。小学校の頃、運動会でリレーの選手に選ばれた謙太と彰。でもアンカーの彰がゴール前で転び、負けてしまった。その時も、謙太は落ち込む彰の肩を抱き、「転んでも、笑われても、最後まで走ったおまえはすげえ!だから胸張れ!」と励ましたのだった。子どもの頃から、何があっても最後まで諦めない彰のことを、謙太はずっと尊敬していた。「いざという時、俺なんかより、ずっと行動力があって勇気がある。そういう彰を、いつの間にか俺は好きになってた」と謙太。彰もまた、あの運動会の日から、ありのままの自分を受け入れてくれる謙太のことが好きになっていたのだ。そんな2人の強い絆を見た橘は、「私の友達に動物に詳しい子がいてさ、その子が言ってた」と、一葉の言葉を伝える。「キリンって、同性に求愛するんだって」。実は動物の世界では、同性のカップルは珍しくない。はっきりとした理由は解明されていないが、橘は「私はこう思った。一緒にいて、すごく居心地がいいからなんじゃないかなって。大事なのは、一緒にいたいっていう気持ちなんだと思う。しっかり2人で話し合って、答えを出しな。その答えがどんな形でも、私は応援するから」。橘の言葉を、しっかり受け止める2人で――。

一方、吾郎と真紀は依然としていがみ合ったまま…。一葉に助けを求められた司は、みんなで家族のアルバムを見ようと提案。一花と一葉が赤ちゃんだった頃の写真や、吾郎と真紀の結婚式の写真…。子育ての苦労を振り返りながら、「懐かしいねえ」と、思いをはせる吾郎と真紀。2人のなれ初めは、吾郎の一目ぼれ。農協の集まりで顔を合わせたのが最初だった。真紀は無口な吾郎に不安を感じていたが、ある日、真紀が山で足をくじいて動けなくなった時に、吾郎が徹夜で捜し回ってくれたという。「私死ぬかと思った。でも、お父さんが見つけてくれた時は、そりゃあ、うれしくてねえ」。2人の話を聞いた司は「実に素晴らしい。まるでハクトウワシのような絆です。せっかくですから、少し野生の恋について、話をしましょうか」――。

北アメリカに生息するハクトウワシ。その求愛行動は命懸けだ。オスとメスが空中で互いの鉤爪を引っかけ合いながら大空高く舞い上がり、つながった状態のまま真っ逆さまに落下する。そして地面スレスレで2つに分かれる。鉤爪を離すのは最後の瞬間だけ。離すのが遅れれば命を落とすが、かといって上空で離すようではパートナーにはなれない。お互いに命を預け、信頼できるパートナーなのかを確かめ合う。そして一度つがいになると、生涯その相手と添い遂げるのだ。お互いを信じ、尊敬しあいながら一生を共にする。「人間には、こんな命懸けの儀式はありません。その代わり、日々の小さな積み重ねや、困難を共に越えてきた時間こそが、信頼と尊敬を形づくるのだと、私は思います。この家も、畑のキャベツも、そして何よりここにいる2人の娘さんが、おふたりが共に歩み、築き上げてきた証そのものではありませんか」――。

司の言葉を受け止めた真紀は、ようやく吾郎に本心をぶつける。真紀が許せないのは、絵画教室の先生に入れ込んだことではなく、2人でコツコツためたおカネを勝手に使われたことだった。「私は、あのおカネでお父さんと2人で旅行に行きたかったの。畑も家事も忘れて、2人でゆっくりしたかったの」。吾郎も、仕事ばかりだった自分が初めて見つけた趣味を「もったいない」「カネをドブに捨てた」とけなされて、頭に来てしまったと言う。互いに本音を吐き出したところで、司がアトリエで見つけた1枚の絵をみんなに見せる。
それは、真紀の肖像画。絵画教室で好きなものを描けと言われた吾郎が、真っ先に思い浮かんだのが、真紀だったのだ…。「相談もしねえで、大金を勝手に使ったのは悪かった」と謝る吾郎に、真紀も「私の方こそ理由も聞かずに怒ってしまって……ごめんなさい」。ようやく仲直りした2人は離婚を撤回。ついでに一葉と司も恋人宣言を撤回し、真紀は「なんだ~」とガッカリ…。

リクラ最新号に、65歳の相談者に向けた一葉のコラムが載る。『夫婦に必要なものは信頼、尊敬、感謝。あんたはそれが全然足りてない。主婦っていう仕事が、どれだけ大変か分かってんのか?共に生きるということは、お互いを理解し合い、尊重し合うということだ。だからハクトウワシのように、お互いを支え合いながら、人生という大空を羽ばたいてくれ』――。

副編集長の斉藤は妻に謝罪して仲直り。謙太と彰もパートナーシップ申請が受理され、今後は家族としてどんな困難も一緒に乗り越えていこうと誓い合う。
吾郎と真紀も以前にも増して仲良くなり、司にお礼を言う一葉は「なんであそこまでやってくれたんですか?」。実は司自身も、なぜあそこまで親身になったのかが分からず…。「自分でも戸惑っている。他人のことなど放っておくのだが、君のことは放っておけなかった」と答える司に、一葉は「それは、友人としておっしゃってますか?」。見つめ合う一葉と司で――。
一方その頃、アリアに怪しい週刊誌記者が接近…。「灰沢アリアさんにちょっとお聞きしたいことがあって。これは、どういうことですか?」。記者から1枚の写真を見せられたアリアは驚いて――。