2011年4月16日。

全国から料理自慢の女性たちが、最初の一次予選・横浜大会の会場に集結しました。
幼い頃よりお料理に興味があったという成澤さんが、最初の難関「レシピ審査」に臨んだレシピは、中華風のタレでいただく新感覚のロールキャベツ『アジアンボール』。これまで数々の料理コンテストで入賞経験のある成澤さんにとって、自慢の一品でした。
ところが審査員からは!
「味が想像できてしまう」「普通過ぎる」と、なんとも厳しい評価!
成澤さんにとっては、経験したことのない絶体絶命の大ピンチ!
すると成澤さん、なんといきなり手を合わせ、『お願いポーズ』!そして、「明日までに改良してきます!お願いします!」
これには審査員もビックリ!「じゃあ、ダメだと思うけどやってみる?」
こうして、かろうじて翌日の「調理審査」に進んだのでした。
しかし、このギリギリの通過という結果が、成澤さんの闘争本能に火をつけたのです。審査会場を出るとすぐにスーパーに向かい、審査員に指摘された「香り」を補う様々な食材を買い込み、自宅で朝まで大研究!試行錯誤の結果、ソースにバジルやみょうがなどを使った、香り豊かなレシピに改良しました。
そして臨んだ調理審査。
成澤さんを待っていたのは、審査員の笑顔と「一次予選合格」の結果!
まさに崖っぷちから必死の努力で勝ち取った逆転勝利を、応援に来た息子さんと抱き合ってかみしめる成澤さん。見事、二次予選進出を果たしたのです。

8月7日。

二次予選は、全国の一次予選を勝ち抜いた12人が1vs1で激突!
一次予選の印象的なお願いポーズから「崖っぷちママ」との呼び名がついた成澤さんは、この二次予選に向けても沢山の試作を重ね、彩り豊かな『鶏唐梅菜麺』というレシピで勝負しました。セロリが嫌いなお嬢さんに、野菜を美味しく食べてもらいたいという思いから完成したこの料理は、麺に見立てて茹でた野菜の上に、特製の梅ダレと和えた生野菜や、ねり梅の入った「香りきのこ油」という薬味をのせた、渾身のオリジナル家庭料理。付け合わせにささみの唐揚げも添えました。これには審査員の先生方も、「熟練の技を感じる」と感心しきり。みごと勝利をおさめ、準決勝へと駒を進めました。

むかえた準決勝は、『30日間全国視聴者投票』。

二次予選を勝ち抜いた6人が「豚肉料理」をテーマにしたレシピをホームページに掲載し、それを視聴者が審査員となって、投票で決勝進出者を決めることになりました。
ところが成澤さん、レシピ掲載の締め切り直前になって、またしても大ピンチ!どんなレシピが視聴者の心にうったえかけるのか、悩み過ぎて答えが見つからなくなってしまったのです。そしてついに、「ママもぅダメかも」・・・小学生の息子さんにこんな弱音をはいてしまいました。すると「みんな応援してるのに、最初からダメなんて言ってたら上手くいく訳ないじゃん!」息子さんが大泣きしてしまったのです。
その時、成澤さんの悩みはひとつの決意に変わりました。「子供達に決して諦めない姿を見せなければ!」
母として、強い新たな気持ちで再び試作を繰り返し、誰でも簡単に作れる豚のうまみをたっぷり生かした『カリカリじゅわ!豚バラにんにくの味わいスープ飯』を開発!なんとかレシピ掲載に間に合ったのでした。

10月28日。

この日、日本テレビのスタジオには、準決勝を戦った6人が集結。
レシピの女王・女王決定生放送スペシャルが開幕しました。
冒頭は、準決勝30日間全国視聴者投票の結果発表。
一人ずつ獲得票数が発表され、成澤さんは・・・なんと堂々の第1位!鮮やかに決勝進出を決めました!
様々な想いがよみがえり、思わず熱いものがこみ上げる成澤さん。
しかし、すぐに最後の決戦、女王を決める決勝戦が始まります。
一次予選からずっと応援してくれた家族たちが見守る中、成澤さんが最後に披露したのは、「もう一生エビを食べなくてもいい」と思うくらい改良に改良を重ね作り上げた料理、『エビのソテー 秋の香り』。なんと、あの一次予選で崖っぷちから這い上がるきっかけとなった「香り」がキーワードのレシピでした。旬の食材、いちじくやきのこなどを使った、簡単!美味しい!新しい家庭料理。審査員の先生方は「パンチのある力強い料理」そして、「ぜひ食べてみたいと思わせる香り」と大絶賛! 半年にわたる戦いの中で、確実に成長し答えを見つけた成澤さんでした。

そしていよいよ日本を代表する料理人、10人の審査員が投票!
その結果、なんと全員が成澤さんに票を投じたのです!
満場一致で初代レシピの女王・成澤文子さんが誕生した瞬間でした!
止まらない涙。歓喜の渦の中、駆け寄った息子さんをしっかり抱きしめた成澤さんは、日本一家庭料理がうまい女性であると同時に、日本一のママとして輝いたのでした。

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