2011/1/26
今回、「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」東京展の会場となる
国立西洋美術館 は、東京・上野公園内にある、
西洋の美術を対象とする、日本で唯一の国立美術館です。
1959年に、フランスから「松方コレクション」が寄贈返還されるにあたり、
このコレクションを収蔵・展示する美術館として建設されました。
開館当初は、「近代建築の三大巨匠」として有名な
フランスの建築家 ル・コルビュジエ氏が設計した本館のみでしたが、
その後、ル・コルビュジエ氏の弟子・前川國男氏(1905-1986)と
前川氏の設計事務所の設計により
1979年には新館、1998年には企画展示室が増築されました。
「松方コレクション」とは
実業家の松方幸次郎氏(1865-1950)が
大正初期から昭和初期にかけて築いた美術品コレクションのことを指します。
株式会社川崎造船所の社長であった松方氏は
私財を投じて、パリを中心にヨーロッパ各地で
数千点におよぶ西洋の絵画、彫刻、工芸品を収集しました。
また、西洋の美術作品だけではなく、
当時、外国に散逸した日本の浮世絵も収集していて、
これら約8000点の浮世絵は、現在、
国立西洋美術館からほど近い 東京国立博物館に所蔵されています。
松方氏はこれらのコレクションをもとにして東京に美術館を設立し、
日本で西洋の美術作品を見る機会を提供しようと考えていました。
しかし、1927年の世界恐慌によって計画は頓挫。
経済状況の悪化によるコレクションの散逸や
イギリスの倉庫火災によるコレクションの消失などによって
現在では当時の膨大なコレクションの全貌を知ることは不可能となっています。
その中にあって、現在、国立西洋美術館にある「松方コレクション」は、
第二次世界大戦当時にフランスに残され、
サンフランシスコ平和条約によって一旦フランスの国有財産となった後、
日本に寄贈返還された370点
(絵画196点、素描80点、版画26点、彫刻63点)の作品からなる
コレクションのことを指しています。
現在、国立西洋美術館の常設展では
ヴェロネーゼ、ルーベンスといった18世紀以前のオールドマスターの作品から
モネやゴッホ、ゴーガンをはじめとした「松方コレクション」、
ピカソ、ミロなどの20世紀絵画までを展示しています。
彫刻はロダンなどの作品をご覧いただけます。
国立西洋美術館の本館は
ル・コルビジェ設計による日本における唯一の作品です。
2007年に日本の重要文化財の指定を受け、
現在はユネスコ世界遺産の登録を目指し活動中です。
また館内にはミュージアムショップのほかに、カフェ「すいれん」も営業しています。
ぜひ国立西洋美術館での1日をお楽しみください!
また、国立西洋美術館の常設展鑑賞ガイドとして
iPhone/ iPod touch用アプリケーション 【Touch the Museum】 もリリースされています。
ご興味ある方は、 コチラ をご参照ください。
*iPhone、およびiPod touchは、Apple Inc.の登録商標です。