STORY

2023.03.15

負けたら解散――打倒・高階に燃える玉響は、運命のこけら落とし公演に向けて朝陽あさひ(田中圭)の厳しい指導に必死に食らい付く。自分たちの演奏がどんどん良くなっていることを実感して、オケのムードは高まるばかり。全体練習の後も、初音はつね(門脇麦)は朝陽に呼ばれてマンツーマンで演奏について話し合う日々。『チャイ5』の表現方法やオケの引っぱり方など話しながらも、2人だけの時間を楽しむ初音。

そんな中、朝陽が高階へ移籍するというウワサを耳にする。そんなことはあり得ない、と気にも留めない初音だが、朝陽が高階フィルと接触していると知り、胸騒ぎがして…。
モヤモヤが晴れない初音は、高階フィルのゲストコンマスを務める三島みしま(永山絢斗)に会って真相を確かめてみるが、三島は何も知らない様子。やぱり移籍の話はただのウワサ…?

公演前日、「明日は、堂々と誇りをもって、玉響の音楽を聴衆に届けましょう」。朝陽の心強い言葉に、オケのボルテージも上がり、朝陽と初音はがっちりと握手を交わすが――。

たった4か月前はバラバラだったポンコツオケと、ステージに立つことすらできなかった天才ヴァイオリニストが、いよいよ日本一のオーケストラと一騎打ちの舞台へ!思いよ届け!一発逆転のオーケストラ、ついに感動のフィナーレ!!

※注意 以下、ネタバレを含みます。

こけら落とし公演当日、シンフォニーホールのオープニングセレモニーも終わり、いよいよ玉響の出演時間が迫る。だが、朝陽が会場に来ていないことが判明。電話もつながならい。不安にざわつく団員たちに、修介しゅうすけ(生瀬勝久)が告げる――「今日、朝陽は来ません」。

実は、先日の定期演奏会の後で玉響の解散が撤回されたのは、朝陽が藍子あいこ(原日出子)にある申し出をしていたからだった。それは、朝陽が高階フィルの常任指揮者になる代わりに、玉響をこけら落としに出演させること。しかも、自分は指揮台に立たないことを条件に…。朝陽が初音を熱心に指導していたのも、自分の代わりにコンマスである初音に指揮を執らせるため。どうしても玉響の団員たちには、この場所で音楽を続けてほしい…そんな思いがあったのだ。全てを知った初音は、高階フィルに演奏順の変更を許可してもらうと、朝陽を連れ戻すためにホールを飛び出す!

開演時間になり、三島と光太郎こうたろう(加藤雅也)は、順番の変更に難色を示す本宮もとみや(津田健次郎)を黙らせ、高階フィルと共にステージに立つ。光太郎の指揮に合わせ、生き生きと弓を動かす三島。その音に、もう迷いはない。光太郎も息子の変化を敏感に感じ取り、2人の共演は大成功に終わる。

一方、自宅などを探し回った末、初音はようやくいつもの練習場で朝陽を発見! 「常葉朝陽!確保ぉぉぉぉ!」と朝陽の手をつかんで連れ戻そうとするが、朝陽は玉響を守るためだと言ってかたくなに出演を拒否。だったらせめて近くで見守ってほしい…初音の申し出に、朝陽はうなずいてシンフォニーホールへ向かう……が、それは初音の作戦だった!ホールに戻った初音は朝陽を廊下に残し、団員たちと控室に籠城!朝陽が出演を決めるまで、扉は開けないと宣言!たとえ悪魔のような指揮者でも、誰よりも大きな愛で玉響をここまで連れて来てくれた常葉朝陽――その朝陽が指揮を振らなかったら意味がないのだ。「私たちは、オーケストラです」――初音の言葉とみんなの思いが、朝陽の胸を打ち…。ようやく決断した朝陽は、藍子の許しを得て、ステージに立つ――。

緊張の中、玉響の『チャイコフスキー交響曲第5番』が始まる。朝陽の一振りで静かに音色を奏で始めるオーケストラ。途端に聴衆は息をのみ、審査員たちも目を見張る。想像を超える濃厚なハーモニー。パートごとの息もぴったり。それぞれが、この4か月で経験したかけがえのない時間を思い出しながら、あふれる思いを音に乗せる――。やがて最高潮の盛り上がりで演奏が終わると、場内はスタンディングオベーション!割れんばかりの拍手が玉響を包み込む。そしてついに、奇跡の瞬間がやってきた。審査の結果、審査員票は2対2の同票。観客投票が運命を分ける――僅差で玉響は高階フィルに見事勝利!!玉響は再び大歓声に包まれて…。

公演が終わり、ロビーで祝福攻めにあう団員たち。みどり(濱田マリ)と土井どい(前野朋哉)は家族に囲まれ、玲緒れお(瀧内公美)と藤谷ふじたに(渋川清彦)は仲良く記念撮影。あおい(坂東龍汰)と奏奈かんな(恒松祐里)は何やら春の予感…!?穂刈ほかり(平田満)も弓香ゆみか(行平あい佳)もヨーゼフ(ロイック・ガルニエ)も、みんな楽しそうだ。

そして、高階への移籍がなくなった朝陽は、初音に握手を求める。「玉響をここまで連れてきてくれたのは、谷岡さんです。ありがとう」。その手を握る初音も、「音楽の世界に連れ戻してくれて、ありがとうございました」。握った手を、初音はもう離そうとはしない。朝陽も離すことを諦めたようだ。毒舌マエストロと天才ヴァイオリニスト。出会って4か月でポンコツオーケストラを一流オケに大改造した2人は、また明日に向かって歩き出した。その手をしっかりとつないだまま――。

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