STORY

#012021.10.10 放送

中堅の運送会社・亀田運輸のカスタマーサービス部に勤務する相良凌介(西島秀俊)は、妻の真帆(宮沢りえ)、高校2年生の娘・光莉(原菜乃華)、小学4年生の息子・篤斗(小林優仁)の4人家族。一家は団地住まいだが、建築中のマイホームの完成を心待ちにしていた。

ある雨の日、凌介の部署に配達中のトラックが事故に遭ったという連絡が入る。このままでは配達が滞ってしまうため、凌介は事後処理に追われるものの、部下の瑞穂(芳根京子)のサポートで事なきを得る。
その晩、凌介が帰宅すると、家に誰もいなかった。真帆と光莉の携帯に連絡しても、つながらない。3人で映画にでも行ったのか…?凌介は、大学時代の友人・河村(田中哲司)からの誘いを思い出す。凌介たちと同じサークルだった日野(迫田孝也)が店を出したので、開店祝いでサークル仲間が集まることになっていたのだ。凌介は、日野の店へ向かう。

凌介が店に着くと、すでに他の友人たちは帰った後で日野が片付けをしていた。学生時代に戻った気分になり、はしゃぐ凌介と日野。日野は、おどける凌介と写真を撮る。そこに河村も合流。河村は今最も売れている週刊誌「週刊追求」の編集長。
3人で楽しく飲み、深夜、帰宅した凌介は異変に気づく。真帆たちは、まだ帰っていない。すぐさま真帆の母・志乃生(丘みつ子)に連絡するが、3人は実家にも行っていなかった。
夜が明けても、真帆たちは帰ってこない。真帆が出かける前に炊飯器のタイマーをかけていったらしく、前日の夜にご飯が炊けていたと気づく凌介。帰って夕飯を用意するはずだったのだ…!

凌介は警察に届け出る。しかし、家出の可能性もあり緊急性が認められないと言われてしまう。凌介は真帆のパート先や光莉と篤斗の学校を訪ねて周囲の人々に話を聞いて回るものの、手掛かりはつかめない。困り果てた凌介は、河村に相談。事件性を感じた河村は「記事にすれば注目されて警察も動くかも」と、週刊追求で記事にすることを提案。戸惑いつつも、凌介はその提案に乗る。河村の手腕で、真帆たちの失踪は事件として注目され、凌介に同情の声が集まる。しかし、あるSNSの投稿をキッカケに、凌介は“悲劇の夫”から一転、“疑惑の夫”へ…!愛する家族を取り戻すため、“真犯人”と“世間の目”との闘いが始まる―――!!

以下ネタバレを含みます

事件翌日。心配して駆けつけた志乃生に言われ、篤斗に持たせていた見守りGPSの位置を探索。すると、篤斗のサッカー教室を示している…!深夜のサッカー教室へ義父の三郎(浜田晃)とともに侵入する凌介。暗い建物を捜索すると、篤斗のGPSがロッカールームで見つかる。キーホルダーの部分が壊れており、ロッカーには破れたユニフォームの切れ端が…。と、その時、背後から何者かに襲われる凌介!犯人かと思いきや、サッカー教室のコーチ・山田(柿澤勇人)だった。山田は、最近不審者が出ると聞いてパトロールしていたという。山田によると、篤斗はいなくなる日の夕方5時半頃、サッカー教室に忘れ物を取りに来ていたという。
凌介は河村に、真帆たちが失踪したことを相談し、事件当日のことを話す。

その日の夕方、仕事中の凌介に真帆から連絡が入った。凌介が会社帰りに篤斗をサッカー教室まで迎えに行くことになっていたが、サッカー教室が雨で休みになったので迎えに行かなくていいという内容だった。夜7時頃に会社を出た凌介は、家に帰る前に書斎として使っているトランクルームに立ち寄った。一人で読書をした後、9時過ぎにそこを出て、電車で帰宅。いつもと違ったことと言えば、家の最寄り駅に着いた時に見知らぬ若い女性(生駒里奈)に人違いされたことぐらいだった…。

河村は、真帆たちの失踪を実名と顔写真付きでデジタル版の記事にすると言い、凌介は任せることに。少しでも情報が集まり、警察が動いてくれたら…という思いだった。
『炊飯器の謎…幸せ一家の母子3人が忽然と消えた!! 残された夫 悲痛な訴え』というタイトルの記事がネットにアップされる。反響は大きく、“炊飯器失踪”というワードがSNSのトレンドにも上がる。
凌介の上司・太田黒(正名僕蔵)や瑞穂ら部下たちも真帆たちの失踪を知り、凌介を心配する。会社から帰宅した凌介はマスコミに取り囲まれる。「ご飯が炊いてあったんです…いつも通り帰ってきて、家族そろってご飯を食べるはずだったんです…」と涙ながらに訴える凌介。

神奈川県警の刑事・阿久津(渋川清彦)と落合(吉田健悟)が凌介を訪ねてくる。真帆たちの失踪が騒がれているので、事件として捜査するという。凌介に同情的な落合に対し、阿久津は真剣に捜査するつもりがないようだった。
そんな中、事態は急変する。日野の店で撮られた凌介の写真がSNSで拡散。家族がいなくなった晩に酒を飲んでいた凌介への非難が高まっていく。YouTuberぷろびん(柄本時生)は、動画で凌介の職場を晒し、すべて凌介の自作自演という陰謀論を主張し、「あの旦那が殺したんじゃないの?」と煽り始める。

『真犯人フラグ立った――!』と、ネット上では凌介への攻撃が始まろうとしていた。
ちょうどその頃。家に帰る気になれない凌介は、夜遅くまで仕事を続けていた。そんな凌介を気遣い、一緒に残業する瑞穂。そこに、配送スタッフの鼓太朗(坂東龍汰)が大きな段ボール箱を台車に載せてやってくる。その荷物の送り主は凌介で、宛先不明で戻ってきたという。しかし、凌介には身に覚えがなかった。
凌介は、恐る恐る段ボール箱を開く。中には、『お探しのものです』と書かれた紙。そして、サッカーのユニフォームを着た子供の冷凍死体が入っていた――!