STORY

#052021.11.14 放送

凌介(西島秀俊)の家に蹴り込まれたサッカーボール。篤斗(小林優仁)のものだと思った凌介は、サッカー教室へ向かい、コーチの山田(柿澤勇人)に話を聞く。山田によると、篤斗は失踪直前にサッカーボールを持って帰っていた。誘拐された時点で篤斗はサッカーボールを持っていた可能性が高い。誘拐犯がボールだけ“返却”したのか…?サッカー教室を出た凌介を、謎の男(前野朋哉)が見つめていた――。

サッカーボールの一件を凌介から聞いた瑞穂(芳根京子)は、これまでとは少しやり口が違うと指摘。送り付けられた少年の冷凍遺体、新居の建築現場に埋められた光莉のローファー、トンネルに置かれた光莉のスマホや付近で発見された真帆の指輪、これらは犯人が自らの身の安全を確保した上で行っている。しかし、サッカーボールを蹴りこむ行動は、犯人が凌介の近くまで来る危険を冒している。さらに、凌介が住んでいるのは団地の4階。そこに正確にボールを蹴り入れる能力を持つ人物は、サッカー経験者の可能性が高いと考えられた。瑞穂と電話していると、いきなり路上で何者かに、得体の知れないものをかけられる凌介。物理的な危害も加えられ、危険は加速していく…。

一方、瑞穂は一星(佐野勇斗)から、オンラインサロンのオフ会に誘われた。一星は瑞穂に「同盟を組みたい」と、時と場合によっては凌介抜きで誘拐事件の手掛かりを探すことを持ち掛ける。その真意とは…?
そんな中、復活したぷろびん(柄本時生)が新たな動画を投稿。ぷろびんは動画の中で「そろそろ自首する時なんじゃねえのか?」と凌介を諭す。動画の元ネタは“関係者が語る、炊飯器旦那への疑惑”というネット記事。凌介のある行動がまたも裏目に出て、自作自演説が加速。ネットでは、動画とネット記事がどんどん拡散されていく。

凌介は、ドライブレコーダーに映った真帆(宮沢りえ)と思われる赤い傘の女性と、手をつなぐ篤斗の画像を見直して、何か違和感を覚える。しかし、どこに違和感があるのか、見つけられないでいた。行き詰まった凌介は瑞穂と一星の意見を聞くため、2人を「至上の時」に来てほしいと呼び出す。凌介が出かけようとした時、朋子(桜井ユキ)が訪ねてきて――!?

以下ネタバレを含みます

路上で凌介を襲ったのは、無関係の一般人。振って飲むゼリー状の飲料をかけられたのだ。冷凍遺体の件が明るみに出たことで、凌介は殺人犯のレッテルを貼られ、正義をかざす無関係の一般人からも襲撃されるようになる。

警察の捜査で175cm以上の男が団地の防犯カメラに映っていることが判明。サッカーボールを蹴り込んだ疑いが高まる。聞き込みに来た刑事の阿久津(渋川清彦)と落合(吉田健悟)は、じっと窓の割れた相良家を見上げる朋子を訝しがり、映像を見せる。しかし朋子は、「分からない」とすぐに立ち去る。何が起こったのか聞かない朋子に違和感を覚える阿久津。相良家にやって来た朋子は、割れた窓の掃除をすると強引に上がり込み、勝手に掃除を始める。止めようとする凌介の体にもコロコロをかける朋子が不気味で…。

ぷろびんが煽ったのは、年末の家族旅行を失踪直前に凌介がキャンセルしたという情報。「旅行に行けなくなると分かっていたからキャンセルした」、「ケチ旦那」などと拡散・炎上したのだ。「至上の時」へ向かった凌介は、その件を日野(迫田孝也)に尋ねられ、篤斗が10番になりサッカーの強化合宿に参加したいと言うので中止にしたと説明する。

一星は、ぷろびんに冷凍遺体の情報を流したアカウントを突き止めていた。個人情報までは分からないのだが、ツイートの内容から“アフロディーテの下僕”というアカウントらしい。冷凍遺体について知っていたのは、警察と亀田運輸の限られた面々。

「勝つのは僕の愛だ。奴は卑劣なLiar。拭いて涙、取り戻すこの手に宝。待っててForever Lover」という“アフロディーテの下僕”のツイートは瑞穂に向けたものと一星は推測。瑞穂に恋をした“アフロディーテの下僕”が、凌介に嫉妬して犯行に及んだのではないかと考えられた。

ぷろびんとカメラを構えた町山(遼太郎)が、「至上の時」を出た凌介を直撃。小学校の卒業アルバムを見せて、当時の友人が反社会的勢力の幹部だ、闇の組織とつながっているのだろうと凌介に詰め寄る。その様子を見た一星が、無断で動画を上げたら肖像権侵害で訴えるとぷろびんと町山を脅し、2人を撃退。しかし、ぷろびんは一星に気づいたようで…。

亀田運輸カスタマーサービス部に、本社からの調査が入る。太田黒(正名僕蔵)に呼び出された凌介は、久々に出社。本社社員から嫌味を言われるものの、冷凍遺体の件に関しては「あくまで警察の要請に従った」という釈明文を出すことで収め、凌介もクビを免れる。しかし、結局誰がリークしたのかは分からないまま…。

会社からの帰り道、凌介は何者かによって車道に突き飛ばされる。瑞穂が助けに入るが、トラックにはねられかけた2人。物陰には、息を荒らげた謎の男の姿が。サッカー教室で凌介を見ていた男だ。どうやら、正義の一般人ではないようで…。

凌介は、車道に突き飛ばされたことで、ドラレコ映像の違和感の原因に気付く。映像では、赤い傘をさした女性が篤斗と手をつなぎ、篤斗は車道側を歩いていた。凌介は、真帆が決して篤斗に車道側を歩かせないようにしていたことを思い出したのだ。さらに、篤斗は最近、真帆と手をつなぎたがらなくなっていた。赤い傘の女性は、真帆ではない…では、一体誰なのか?

翌朝。凌介は、朋子に料理の容器を返しに行く。ふと目に入った玄関の傘立てには、見覚えのある赤い傘…!思わず傘を開く凌介。そこには、真帆と同じ限定品のサインが!傘を手にした凌介を、朋子が見つめていた――!