ストーリー

#01 DATE.2020.10.10

幸せの象徴のような新築の一軒家・今村家。お遣いを頼まれ意気揚々と出かけた10歳の長女・望美(のぞみ)はその日、自転車のブレーキが壊れているとも知らず坂道を飛ばしていた。しかし次の瞬間、コントロールを失った自転車は崖から大きく放り出され……。



病室で目を覚ました望美(柴咲コウ)の目の前に広がるのはなんと25年後の『現在』!実は事故の後25年間眠り続けた彼女は、母・多恵(たえ)(鈴木保奈美)の必死の介護によって奇跡的に目を覚ましたのだった。しかし、明るく優しかった多恵は笑顔を見せない冷たい女性に、格好良かった頼れる父・進次(しんじ)(田中哲司)はパッとしない中年に、可愛かった妹・愛美(まなみ)(橋本愛)は不機嫌で刺々しい大人に変わり果てていた。そして望美自身は、心は10歳、体は35歳の『35歳の少女』である自分を受け入れられず……。



現在に馴染めないまま退院を迎えた日。多恵はお祝いにすき焼きを用意していた。実はすき焼きは家族にとって因縁の料理。まだ声の出せない望美を囲み、ある“秘密”を抱えたぎこちない家族の食卓が始まる。そこに望美の初恋相手・広瀬結人(ひろせゆうと)(坂口健太郎)が訪ねてくるが……。



!以下、を含みます

教師の夢を叶えた結人の話に目を輝かせる望美だが、その無垢な瞳に耐えきれなくなった結人は、本当は代行業をしながらその日暮らしをしていることを激白!結人は、多恵から頼まれて夢を叶えたふりをしていたのだ。『現在』は望美の夢見た世界ではないと辛辣な言葉を浴びせる結人。その時、声が出せなかった望美が子供のように大声で泣き出す!さらに、両親の離婚、父に新しい家庭があること、母と折り合いの悪い妹はずっと前に家を出て家族がバラバラになったことを知り、望美は深く傷つく……。

翌朝、望美が姿を消したと聞いて探していた結人は、昔通っていた図書館へ。そこは結人と望美の思い出の場所。望美の深い孤独に触れた結人は不器用ながらも必死に励ます。その姿に、25年前と変わらぬ結人の面影を見つけた望美は、キラキラとした目で結人を見つめ、この世界で生きる足がかりを見つけるのだった。『35歳の少女』が時間を取り戻す過酷な人生の時計が動き出す……。

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