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2021

12/31

【高校サッカー戦記・愛知】思わず漏れた「強すぎる…」 悔しさを次の世代に 中部大第一

第100回全国高校サッカー選手権。愛知県代表・中部大第一は、1回戦で熊本県代表・大津と対戦し、0-5で敗れ、創部初の全国舞台に幕を下ろしました。試合を振り返り、未来を展望します。

    ◇

プレミアリーグではJクラブユースを破るなど地力に勝る大津と、創部54年で初の全国出場の中部大第一の試合は、立ち上がりから動きます。キックオフ直後から攻勢に出た大津が前半4分にCKから先制。その後もセットプレーから追加点を挙げるなど、大津は前半で3点を奪いました。思わず「強すぎる…」と声を漏らしロッカールームへ戻った中部大第一は「もう失点はしない。まずは1点を取りにいこう」と持ち前の運動量で後半に臨みます。しかし、終わってみればシュート数3本・無得点の中部大第一に対し、大津は25本・5得点と選手権でも実力を見せつけました。ただ、どれだけボールを奪われようと、シュートを打たれようと前を向き続けた中部大第一イレブン。彼らの足跡は全国のピッチにしっかりと刻まれました。

試合後、中部大第一の伊藤裕二監督は「全国に来られたこと、全国に連れてきてくれた選手たちに感謝したい。もっと全国舞台を見せてあげたかったが、強豪校相手に最後までよく走り抜いてくれた。愛知代表校として全国に挑むまでの1か月で、選手たちのさらなる成長を感じたし、監督としても成長させてもらった大会だった」と振り返りました。「全国トップチームの技術を実感して、力の差を感じた試合だった」と語るのはキャプテンの大嶽匠矢選手(3年)。「高校サッカーで学んだことは“仲間の大切さ”。1人ではここまで来られなかった」と選手や支えてくれた家族などに感謝の気持ちを伝え、「進学先の大学でも仲間を大切にサッカーを続けていきたい」と意気込みました。

『県3部リーグから全国へ』を合言葉に、県内数々の強豪校に立ち向かい、創部初の全国切符を掴んだ中部大第一。県内のリーグ戦では3部からの昇格を決め、来季は3年ぶりに県2部リーグで戦います。今大会初戦のメンバー20人のうち、実に12人が1・2年生の選手でした。「全国の経験を生かしたい気持ちを1・2年生は感じてくれている。全国を経験した選手たちがチームを引っ張っていってほしい」と伊藤監督。キャプテン・大嶽選手(3年)は「全国レベルを肌で感じられ、良い経験になった。また全国に来て、初戦突破を目標に頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送りました。

愛知県勢はこれで選手権6年連続初戦敗退。101回大会の愛知県勢初戦突破に向けて、そのタスキは次の世代に掛けられました。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/中京テレビ放送)
 

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