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2021

12/20

【高校サッカー注目・大分】中津東 堅守からの多彩な攻撃 国広選手のドリブルで好機生み出す

第100回全国高校サッカー選手権大会は12月28日に開幕します。大分代表・中津東は28日の開幕戦で関東第一(東京B)と対戦。中津東の注目選手たちとチームの特長を紹介します。

■堅い守りと様々な攻撃

CBの村本輝主将を中心に県大会5試合で2失点という堅い守りが特長の中津東高校。堅守をベースに、ロングボール・サイド攻撃・ドリブル突破など状況に応じた攻撃を持っています。

注目は左SHの10番・国広雄陽選手。間合いとタイミングを融合させ相手を抜き去るドリブルが持ち味で、県大会では2得点。特に決勝では会場を沸かせるほどの「奪われないドリブル」を見せ、チームに攻撃の安定感をもたらしました。中学時代、大分トリニータのジュニアユースで鍛えた技術をベースにしたドリブルは、中津東の強い左サイドを形作っています。

さらに11番・吉岡流星選手(県大会は3得点)との連携で県大会では多くのチャンスを生み出してきました。堅い守備から前線にそろったタレントたちが様々な形で相手ゴールを脅かす攻守のバランスが取れたチームです。

■バラバラだった意図をつなぐために

就任初年度ながらチームを7年ぶり5度目の全国大会に導いた首藤啓文監督(57)。就任当初の4月…首藤監督は1週間チームの練習を静観したところ「タレントが多いが、それぞれがやりたいようにプレーしている」という印象を持ったといいます。その原因を「選手同士が互いに声を掛けあえていない」ことだと感じた首藤監督は新しい練習を導入しました。

数人一組でパス回しをする際に、パスの受け手は、自分がパスをしてほしいタイミングと場所(「ダイレクトでスペース!」…など)を声に出して要求する。またパスの出し手は、(複数の味方の中から)パスを出すと決めた瞬間にパスを出す相手の名前を呼ぶ。つまり自分のプレーの意図を声で相手に伝えるという練習です。これを監督は『意図をつなぐ練習』と名付けました。簡単そうに聞こえますが、これを試合で実践するのが至難の業だそうで、選手たちに話を聞くとスムーズにパス練習できるようになるまでに3か月近くかかったということです。

しかし、その甲斐あって決勝の先制ゴールはまさに声をかけるこの練習から生まれたのです。相手PA付近でゴール前に抜け出そうとしたFW11番・吉岡流星選手が6番・中島柊選手に声をかけ、欲しいボールを要求したことでゴールに結びつきました。まさに監督の狙い通り「仲間同士の意図をつなぎ」勝利を手にしたのです。

100回大会の開幕戦でどれだけ意図をつなぎ相手ゴールを脅かすことができるか――中津東高校が7大会前の全国ベスト16以上を目標に5回目の全国大会に挑みます。

※写真は国広選手の“ボールを奪われないドリブル”

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ大分)
 

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