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2022

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【高校サッカー戦記・島根】大社高校 下級生の守備陣が奮闘、得点のチャンスも

第100回全国高校サッカー選手権。30年ぶりに2大会連続出場となった島根県代表・大社高校は2回戦で3大会ぶりの優勝を目指す青森県代表・青森山田高校と対戦。前半0-0も後半に6点決められ、0-6で敗れました。試合を振り返り、今後を展望します。

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雪が降り、強い風が吹く中で行われた東京・駒沢陸上競技場での一戦。前半、風上に立った大社は試合開始直後から攻めの姿勢を見せます。一方、風下に立った青森山田はボールが押し戻される苦しい展開でしたが、それでも縦に早い攻撃を見せ大社ゴールに迫り続けます。その攻撃に対し大社は粘り強い守備を見せ、さらに跳ね返したボールを起点につなぐサッカーでエース10番・持田優輝選手(3年)にボールを集め攻撃を展開しますが、青森山田の堅守によりシュートを打たせてもらえません。

大社の守備陣で目立ったのは25番・山岡楽太郎選手(1年)でした。持ち味のスピードをいかし、青森山田の攻撃の芽を摘む活躍を見せます。そして、1、2年生の守備陣が踏ん張った大社は、青森山田相手に前半を0-0で折り返します。

迎えた後半。今度は青森山田が風上に立ちます。すると後半開始直後の後半3分でした。青森山田に得意のセットプレーから先制点を許すと、これをきっかけに青森山田が勢いにのります。大社はGK1番・栗原拓也選手(3年)が好セーブを見せますが、守備陣が青森山田の猛攻に耐え切れず失点を重ねます。それでも大社は個人技や得意のパスサッカーでボールをつなぎ青森山田のゴールを脅かしますが、青森山田の守護神1番・沼田晃季選手(3年)の前に得点を奪うことができず、0-6で敗れました。

試合後、大社の後長直樹監督は「終わってみれば悔しい思いでいっぱい。(試合の入りについて)まずは粘っていくということ、チャンスを少しでも増やすということは、みんなで共通意識をもってやってきたので、前半は選手がよく頑張ってくれた。攻撃ではできた部分もあったが、クオリティーやフィジカルを向上させることで、今日の惜しかったシーンがゴールにつながると思う。試合には負けてしまったが、チームの現在地を知れたという意味では、これを良い経験に変えていかないといけない。島根県の育成が間違った方向ではないということは示せたと思うが、ここで得た経験を地域に還元していきたい。また、島根県大会で優勝してからこの初戦を迎えるまで、様々な方から温かい言葉をかけられたり、気持ちが伝わってきた。0-6という結果にはなったが、自分たちの背後にそういう人たちがいるということを選手たちも理解しながらプレーをしていたので、本当に感謝しかない。来年はこの経験をもとに全体のレベルを底上げしながら今年を超えられるチームを作っていきたい」とコメント。

キャプテンの8番・角凌太選手(3年)は「本当に悔しいという気持ち。自分たちのサッカーができた部分もあったが、フィジカル的な部分で負けて失点を重ねてしまった。全国のトップクラスの基準を今日の試合で知ることができたのは、チーム、そして自分にとっても成長できる試合だったと思う。後輩たちには、相手の球際の強さや試合にかける気持ちの強さなど経験したことを伝えていきたい。自分もプロを目指し、同じステージで戦いたい」とコメントしました。

今大会「選手権の借りは、選手権で返す」という合言葉をテーマに再び全国の舞台に帰ってきた大社高校。この2回戦では得点を奪えませんでしたが、優勝候補筆頭の青森山田に対しても、大社伝統のパスサッカーに個人技を掛け合わせた攻撃を展開しチャンスを作りました。守備では6点を奪われましたが、1、2年生で構成された守備陣が全国大会でも堂々とプレーをしました。青森山田と対戦した守備陣が残ることは、間違いなく大社にとって大きな要素となります。

この経験を糧に、大社史上初の選手権・島根県大会3連覇、3大会連続の全国大会出場を目指し、新チームが始動します。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/日本海テレビ放送)
 

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