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2022

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【高校サッカー戦記・熊本】熊本の歴史切り開いた大津イレブン

第100回全国高校サッカー選手権。熊本代表・大津は決勝戦で青森代表・青森山田と対戦。帰ってきた国立競技場での大一番は0-4で敗れましたが、県勢初の準優勝となりました。試合を振り返るとともに、ここから始まる大津の未来を展望します。

    ◇

県勢初進出となる決勝は100回大会、場所は帰ってきた聖地・国立競技場。そして相手は夏のインターハイと高校年代最高峰のプレミアリーグEASTを制した青森山田と、これ以上ない舞台が揃いました。

そして試合前、大津の選手たちは、新型コロナウイルスの影響で準決勝辞退となった東京B代表・関東第一の名前が記載されたタオルを掲げ写真撮影。多くの人の思いを胸にピッチに向かいました。

試合は前半から青森山田が圧力をかけます。得意のセットプレーやゴール前でのチャンスを何度も迎えますが、大津はゴールキーパー佐藤瑠星選手や、センターバックの寺岡潤一郎選手、川副泰樹選手を中心に守り抜き、要所を押さえます。

それでも、前半37分、コーナーキックから失点すると、その直後にも追加点を奪われ2点ビハインドで前半を折り返します。

なんとか取り返したい大津は、後半に入りチャンスをつくりますが、あと1本が出ず決定機を生かせません。最後まで攻め続けた大津でしたが0-4で敗戦。それでも、県勢初の準優勝となりました。

試合後、大津の山城朋大監督は「あれだけの観衆の中で最後までしっかりと戦い続けた選手たちを誇りに思います。決勝には負けましたが、大会を通じて選手たちは良さを表現してくれましたし、大津がここまで来られなかった決勝の舞台に立てたので、胸を張って熊本に帰ろうと選手たちには伝えたいです」と話しました。

またキャプテンの森田大智選手は国立での決勝について「小さい頃からずっと憧れてきた舞台でできたことは本当に幸せだった」と話し、「この悔しさは大学4年間につなげていきたいと思っていますし、後輩たちにはこの経験を糧に来年以降、全国制覇してほしいと思います」と、決勝舞台のその先を見つめていました。

選手権の決勝進出、そして準優勝と、熊本の高校サッカーに新たな風を起こした大津。今年は特に勝負強さ、徹底した攻守が光り、他を圧倒。それでも決勝では青森山田を相手にシュートを打てず敗れました。しかし、試合終了直後、山城監督は「今日をスタートとしてまた頑張ります」と話しました。

長い間、県内の常勝軍団として君臨している大津が、初めて見た決勝の景色。それは、これからを担う1、2年生たち、さらには熊本でボールを追いかける多くのサッカー少年たちの目に焼き付いたと思います。熊本県勢が選手権の優勝旗を手にする日はそう遠くないはずです。その歴史を切り開いたブルー軍団に、心から敬意を表したいと思います。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/熊本県民テレビ)
 

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