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2022

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【高校サッカー戦記・東京】大会史上初の快挙 関東第一の激闘を振り返る

第100回全国高校サッカー選手権大会が2021年12月28日~2022年1月10日の日程で行われました。大会史上初となる「開幕戦を国立で戦い、準決勝で再び国立に帰還する」という快挙を決めていた関東第一(東京B)。今大会の快進撃を振り返ります。

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関東第一の初戦は改修された国立競技場での開幕戦、中津東(大分)との試合でした。今大会初ゴールが生まれたのは前半13分、関東第一のコーナーキックの場面、こぼれ球に後方から走り込んだ若松歩選手(3年)が右足を振り抜き、ゴールネットを揺らします。その後も関東第一の猛攻は続き、6-0と圧倒的な攻撃力を示して初戦を突破しました。

若松選手は第一号ゴールについて「特に意識していなかったけれど、球が来た瞬間決められると思ったので入って良かった。自分の名前が歴史に残るのは嬉しいです」と語りました。

続く2回戦の相手はU-22日本代表のチェイス アンリ選手を擁する尚志(福島)との一戦。激しい攻防は80分続くも決着がつかず、PK戦へ持ち込まれるとGK笠島李月選手(3年)が2度のビッグセーブを見せ、見事、学校史上初となる2回戦の壁を突破しました。

笠島選手は「PKも視野に入れていた、練習の中で自分なりにPKをどうするかを考えていたので、最後自分が止めて勝てたことが嬉しかったです」と語りました。

前回大会ベスト4、矢板中央(栃木)との3回戦は一進一退の展開となりましたが、肥田野蓮治選手(3年)、若松選手、本間凜選手(2年)のゴールで3-2と勝利し準々決勝進出を決めます。

続く準々決勝の相手は98回大会の王者・静岡学園(静岡)。Jリーグ内定や年代別代表候補ら計8人を擁する強豪との試合は拮抗した試合になりました。試合が動いたのは後半20分、静岡学園に先制点を許します。その後、何度かチャンスをつくるも得点できず、このまま試合終了かと思われた後半40分、途中出場の日下空選手(3年)からのグラウンダークロスに、こちらも途中出場の坂井航太選手(3年)が合わせて同点にし、試合はPK戦に持ち込まれます。GK笠島選手が2回戦に続いてビッグセーブを見せると、最後はキャプテン池田健人選手(3年)が冷静にゴール真ん中に決め準決勝進出を決めました。開幕戦を国立で戦い、再び国立へ帰還するのは史上初の快挙でした。

しかし、関東第一は準決勝前日に大会規定の検査を行った結果、選手から新型コロナウイルスの陽性反応が認められ、準決勝の出場を辞退することになりました。これにより、準決勝で関東第一と対戦する予定だった大津(熊本)が決勝に進出することとなりました。

迎えた決勝戦の試合前、大津の選手達は関東第一の選手の想いを胸に闘うことを誓い、準決勝・幻の対戦カードとなった「関東第一vs大津」のマフラータオルを全員が手に持ち、写真撮影を行いました。決勝戦で大津は青森山田(青森)に敗れてしまいましたが、関東第一の想いを胸に90分間戦い抜きました。

※写真はPKでビッグセーブを連発したGK笠島李月選手

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/日本テレビ)
 

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