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2021

12/20

【高校サッカー注目・栃木】名将招き全国の強豪校に 記念大会で未知なる決勝の舞台へ

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。栃木県勢最多の12回目の選手権出場を決めた矢板中央は、初戦となる2回戦でインターハイ準優勝の米子北(鳥取)と対戦します。初戦から強豪校と激突する矢板中央の特長を紹介します。

    ◇

栃木県からは2009年度の88回大会以降、矢板中央と佐野日大の2校しか全国の舞台に立っていません。この間、全国ベスト4に矢板中央が4回、佐野日大が1回と栃木2強時代を迎えています。

■名将の指導で勝つチームに

矢板中央の初出場は83回大会でしたが、このときは初戦敗退。2回目の出場となった86回大会も2回戦で敗れ、選手権で勝つことの難しさを痛感しました。高橋健二監督はそれまでテクニック、攻撃重視のチームづくりをしてきました。

転機は10年ほど前。「勝つためのチームづくりを」と、監督として帝京(東京)を6回の選手権優勝に導いた古沼貞雄さんに頭を下げ、アドバイザーとして迎えました。

「名将の指導はどんなものか」と、胸が高鳴りました。しかし、古沼さんの練習は基本ばかり。

「これで本当に勝てるようになるのか」

不安もあったという高橋監督でしたが、繰り返し行う基礎練習の成果がみるみるあらわれ、試合で白星を重ねるチームに成長していったといいます。パス、トラップといった基本の大切さを思い知らされました。

東京の自宅から栃木県矢板市まで通う古沼さんの指導もあって、守備に重きを置いた「堅守速攻」=「赤い壁」が矢板中央の代名詞になり、選手権ではこれまでベスト8が2回、ベスト4が4回と全国屈指の強豪校に成長しています。

常にチャレンジの高橋監督は2016年に指導体制の充実や寮の運営を行うため、一般社団法人「矢板セントラルスポーツクラブ」を設立しました。ジュニアユースの育成、指導者の確保など、“サッカーのまち”を掲げる矢板市を盛り上げ、地域貢献にもつなげています。

■初の決勝進出 悲願の日本一へ

決勝でのゴールを含め栃木大会4試合連続6得点のFW藤野和哉選手は、高校卒業と同時にスペインに戦いの場を移します。「100回記念大会での優勝を目指している」と、この大会をステップにさらなる高みを目指します。

赤い壁の最後部に構えるGK藤井陽登主将は1年生から選手権を経験。青森出身で寮生活を送るため家族と会えるのは年に数回ですが、「仲間と過ごす時間が充実しているため寂しさは感じない」といいます。2年連続で全国ベスト4。最高学年の今年こそは「日本一」の夢をつかみ、支えてくれた人たちに最高の報告を行います。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/とちぎテレビ)
 

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