第１００回全国高校サッカー選手権は１２月２８日に開幕します。１回戦で福島県代表の尚志は瀬戸内（広島）と対戦します。尚志のこれまでの最高成績は９０回大会と９７回大会のベスト４（福島県勢としては最高成績）。尚志が目指すは「全国制覇」ただ１つです。準決勝の壁を越え、最後のロッカールームを笑って出る事はできるでしょうか？

歴代の福島代表は全国でどんな戦いを繰り広げてきたのか。過去の成績を振り返ります。

■福島県勢の最高成績

尚志が９０回大会で全国ベスト４に進出するまで、福島県勢の最高成績は６２回大会の安積商業と８１回大会の福島東の全国ベスト８でした。その記録を尚志が５度目の全国出場となった９０回大会で塗り替え、ベスト４に進出。福島の学校が初めて国立競技場のピッチに立ちました。

■福島に希望を届けた９０回大会

９０回大会の２０１１年。東日本大震災で福島県は大きな被害を受けました。ただ、そんな逆境を乗り越えて尚志は快進撃を見せます。３回戦では桐光学園（神奈川）を３－３（４ＰＫ２）で下しました。当時を仲村監督は「福島の人たちが一緒に守ってくれている不思議な感じがして、負ける気がしなかった」と振り返ります。そして、準決勝まで勝ち上がり国立のピッチに立ちました。大会後には福島県民から尚志に多くの感謝の手紙やＦＡＸが届いたといいます。

■強い福島を伝えた９７回大会

染野唯月（現鹿島）を擁し２度目のベスト４に進出した９７回大会。神村学園（鹿児島）、東福岡（福岡）、前橋育英（群馬※前回王者）、帝京長岡（新潟）と強豪ひしめく激戦ブロックを勝ち上がり、青森山田（青森）との準決勝を迎えました。

試合は染野唯月（当時２年）がハットトリックを達成しリードを奪うも、終盤に追いつかれ、惜しくもＰＫ戦の末に敗れました。ただ、歴史に残る熱戦を見せた尚志イレブン。その姿に心を動かされた全国の中学生が尚志サッカー部の門を叩きました。

あれから３年。その中学生が高校生になり挑む１００回大会の選手権。あの日見た先輩たちが届かなかった全国の頂を目指します。

（取材・文　高校サッカー選手権民放４３社／福島中央テレビ）