主要作品紹介

フィンセント・ファン・ゴッホ 《薔薇》

1890年 油彩・カンヴァス

National Gallery of Art, Washington / Gift of Pamela Harriman in memory of W. Averell Harriman

《ひまわり》が南フランスの太陽やユートピアを象徴していたといわれるように、ファン・ゴッホはしばしばモチーフとなる花に深遠な意味を込めましたが、ここでは花瓶からあふれんばかりの薔薇を生き生きと描くことで、春の訪れや生きることへの喜びが率直に表現されています。残念ながら今日では全体に退色していて、ファン・ゴッホが意図した赤と緑の対比的な効果は薄れていますが、その分、エネルギッシュな筆遣いが際立つ作品です。

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