#019 多発テロが起きたスリランカとは

2019.04.22

今回、テロの標的となってしまった
スリランカとは
どのような国なのでしょうか。

「観光客に人気の国で何が?
 スリランカの“悲しい歴史”」

スリランカは北海道よりも小さい島国で
その自然の美しさから
「インド洋の真珠」とも呼ばれています。

人口2100万人ほどの多民族国家です。

巨大な岩の上につくられた宮殿跡は世界遺産。
エステやビーチリゾート目的の若者にも人気があり
年間5万人近い日本人観光客が訪れるといいます。

紅茶の世界的な産地でもあり
かつての名前を由来とする
セイロンティーが名産です。

しかしその一方で
スリランカは「インド洋の涙」と呼ばれるほど
悲しい歴史を持つ国ともいわれています。

イギリスから自治領として
独立したのは1948年。

1983年には
少数派タミル人の武装組織が分離・独立を求め
政府側との間で内戦が本格化。
2009年の停戦までには25年以上を要しました。

また2014年頃からは宗教的な対立が表面化。
一部の仏教徒がイスラム教徒やキリスト教徒を
襲撃する事件が起きています。

しかし専門家は、
最近、治安は安定していたといいます。

○スリランカの政治・経済に詳しい
 アジア経済研究所 荒井悦代氏
「夜でも女性が外で歩けるとか
 タクシーに乗っても
  安全だとかいうふうにいわれています」

最近は平和とされる国で
なぜ多発テロが起きたのでしょうか。

○スリランカの政治・経済に詳しい
 アジア経済研究所 荒井悦代氏
「(近年)過激な仏教グループによる
 イスラム教徒のモスクですとか
 (キリスト教の)教会の攻撃みたいなのはあったが
 (今回は)規模が全く違う」

 

スリランカは様々な宗教の人たちが混在しています。

7割と大多数を占めているのは仏教徒。
キリスト教徒は1割強。
イスラム教徒は1割に満たない状況です。
(2017年 外務省調べ)

専門家は今回の事件について
「これまでの国内の宗教対立とは様相が違う」と話し
国際的なテロ組織が
関わっている可能性を指摘しています。