#009 噴火で「津波」

2018.12.24

過去、日本でも大きな被害をもたらした
火山活動による津波があったんです。

古文書には当時の絵が残されています。
1741年、
北海道・渡島半島沖で起きた津波。
島が噴火し対岸の町が
津波に襲われる様子が描かれています。
犠牲者はおよそ1500人にのぼるといいます。



こちらは1792年、
長崎県の雲仙普賢岳の様子。

当時、噴火により眉山が大きく崩壊。
海に流れ込んだ大量の土砂が
20m以上の大津波を引き起こしたとされ、
対岸の熊本県まで襲い、
のちに“島原大変肥後迷惑”と名付けられました。

犠牲者は1万5000人とも言われています。

専門家は日本全国どこでも発生する可能性があると指摘します。

産業技術総合研究所 山元孝広氏
「日本でも火山活動に伴って
(津波が)起きる事例はたびたび起きている。」
「リスクはどこにでもあるということですね。
火山である以上。」


しかも、専門家を悩ませる
“ある特性”があると言います。

産業技術総合研究所 山元孝広氏
「どこの部分が崩れて
どれくらいのものが落ちるかっていう破壊現象の
“予報はできない”以上、
“津波の警報を出すのは難しい”と思います。」

日本もひとごとではないということなんですが…

火山の活動によって引き起こされる災害には
「噴石」や「火砕流」冬の季節は「なだれ」などもありますが、
「津波」もあることが今回、広く知られることになりました。

津波はひとたび起きると
数千人という被害が出ることもあり、
実は「火山の災害で
一番の犠牲者を出しているのは津波」だと専門家は言います。

日本には活火山が「111」もあり、
日本火山学会によると
世界で4番目に活火山の多い国とされています。

海や湖に近い火山は特に、
噴火活動による津波への注意が必要です。