#011 アメリカ政府機関の閉鎖
ニューヨークの空港では
ある異変が起きていました。

記者
「空港の手荷物検査場なんですが、
奥をよく見てみるとレーンの
いくつかが閉鎖されているのがわかります」
地元メディアによると職員が
休んでいるということなんです。
政府機関の閉鎖で
給料の未払いが長引き、
実は他でアルバイトをするために
病気と偽って欠勤する事態も
起きているといいます。

また国立公園へ行くと。
Q入場料は?
A「“必要ありません”。
きょうは頂いておりません」
運営側の機能がストップしているため、
日本円でおよそ3200円の
入場料を徴収せず、タダに。
ドイツから来た観光客
「戸惑ったけど、タダっていいよね」
公園では別の問題も。
各地の国立公園などでは
トイレ清掃が行われなかったり
ゴミ収集が滞るといった影響が出ています。
政府機関の一部閉鎖は24日目で
“過去最長”となっています。
なぜこうした事態と
なっているのでしょうか。
原因はトランプ大統領肝いりの
「メキシコ国境沿いの壁」です。
壁の建設費が含まれた予算を
野党・民主党が認めず対立。
予算の一部が成立していないので、
こんな事態も。

“配給”を受けているのは、
なんと政府機関の職員らです。
新しい予算が決まらないことで
政府職員およそ80万人が
自宅待機か“タダ働き”を続けています。
「給料が支払われていないため
ローンの支払いができません」
こんなところにも影響が出ています。

ここにいるのは結婚を考えている
カップルですが、
今回の件で、結婚に必要な
許可証を発行する事務所が
閉鎖してしまったというんです。
そこでワシントンでは市長の権限で許可証を
発行することを決断しました。
「政府が閉鎖してしまったので
多くのカップルがこれで
救われると思います」
ワシントン市長は
「“大統領でも愛は閉鎖できない”」
とコメントしています。
一歩も譲らないトランプ大統領。
壁建設に向けて“奥の手”もちらつかせています。

トランプ大統領
「我々は“国家非常事態を宣言”し、
極めてすみやかに
壁を建設することもできる」
膠着した事態を打開しようと
トランプ大統領がにおわせている、
「非常事態宣言」なんですが…

アメリカの「非常事態宣言」とは
大統領が、国家が危機に
直面した時に使う「最終手段」。
本来「議会」の議決が
必要な手続きを飛び越えて、
大統領が「非常事態」を宣言し
国を救うための政策を実行します。
誰かの「資産を取り上げ」たり、
「海外に軍を派遣」したり、
「アメリカ国民の生活をコントロール」することさえ
可能になる巨大な権限です。
では、これまで大統領は
どんな時に「非常事態宣言」を
出してきたのかといいますと。

研究機関の調べでは、
実は、ブッシュ大統領は13回
オバマ大統領は12回もの
非常事態宣言を出しています。
ブッシュ大統領は2001年の
「9・11」同時多発テロの時に宣言し、
予備の兵士8万人以上をテロとの戦いに動員。
オバマ大統領は2009年の
「新型インフルエンザ」に
対しても非常事態宣言を出しました
いずれももちろん
「国家の危機」に関するものです
トランプ大統領は、
「国境の壁建設」のためには、
非常事態宣言も辞さない構えですが・・・

「この数年で、数千人のアメリカ人が
不法移民によって殺害された」
「これは人道の危機、心と魂の危機」と
危機を強調しています。
一方で、国内には
「非常事態宣言をするほどの国家の危機なのか?」
という声も上がっています。