#018 燃料取り出し

2019.04.15

福島第一原発で
大きな動きがありました。
3号機の核燃料プールから、
燃料の取り出しが始まったんです。

これは40年とも言われる
廃炉への最初のステップ
なんですが…、
今夜の「プライチ!」はこちら。

4年遅れ…核燃料取り出し
廃炉まで途方もない道のり

3月11日。

○櫻井
「あの左手ですか
 原発のクレーンが見えますね」

未曾有の原子力事故から8年。

いま、福島第一原子力発電所で
廃炉に向けた作業が
進められています。

3号機の中にあるプールから
核燃料の取り出し作業が始まりました。
燃料の棒がクレーンで
引き上げられていきます。

現場は放射線量が
非常に高く、
およそ500メートル離れた場所から
機械を遠隔操作しています。

残されている燃料は566体。

敷地内の別の建物にある
プールで保管されるといいます。

ではなぜ、今ある貯蔵プールから、
別のプールへ
移動するのでしょうか?

これは、3号機の燃料プール。

使用済み核燃料は、
強い放射線と熱を発するため、
長い間、水の中で冷やす必要があります。

しかし、水素爆発を起こした
3号機は損傷が激しく、

万が一、また大きな地震や津波に
襲われれば、
危険な状態になる可能性もあります。

そこで、
別の容器に移して、
クレーンで地上に降ろし…
トレーラーで
敷地内にある別の安全なプールに
移設しようとしているのです。

3号機の燃料の取り出しは、
当初の計画から
4年あまり遅れての
開始となりました。

これは、がれきの撤去や除染、
機器のトラブルなどが多発したためです。

取り出しが終わるのは
2020年度中になる予定です。


4月15日の動きは廃炉への
新たな一歩となりましたが、
まだまだその道のりは長いんです。

廃炉までの段階は
大きく3つに分けられます。

まずは、原子炉建屋の上にある
プールから「使用済み燃料」の取り出し

その次が、原子炉の中に
溶け落ちた核燃料、
いわゆる「燃料デブリ」の取り出し

そして、
最後は原発そのものの解体です。

ようやく、3号機で
第一段階がはじまったのです。

こちら、福島第一原発の
1号機から4号機なんですが…

4号機は事故当時運転停止中だったため、
すでに燃料の移送が完了しています。

一方で、3号機だけでなく
1号機や2号機にも数百体の
燃料が残されています。

1、2号機の燃料の
取り出しが始まるのは
2023年度になる予定です。

また、第2段階で取り出す
燃料デブリの総量は
3つの合計で880トンにも
上るとみられますが、
どのように取り出せるのか、
見通しは立っていません。

政府と東京電力は
この廃炉作業が終わるまで、
30年から40年としていて、
これからも多額の予算に加え、
大量の人員や技術開発が
必要となります。

以上、プライチでした。