#028 参院選受け、国会”バリアフリー化”

2019.07.29

7月28日、29日と、緊急の改修工事が行われました。

その場所は参議院の本会議場です。 
何をしているか見てみますと議員の席を取り外しています。
その理由は…。



参議院選挙で初当選した「れいわ新選組」の
難病ALS患者の舩後靖彦さんと
重度の障害がある木村英子さんのふたりが
国会で活動できるようにするためです。

そこで今夜の「プライチ!」はこちら。
「進む国会のバリアフリー化。しかし課題も…」



8月1日のふたりの初登院にむけて
国会では様々な部分が変わります。



まず、国会の中央玄関には
階段に【スロープ】が用意されます。


 
また本会議場では大きな車椅子の
スペースを確保するため
元々あった席を取り外す工事をしましたが
その際に足元の【段差】もなくしました。

車椅子で生活する方にとって段差でどれほど恐怖を感じるか
私が体験した映像があります。



車椅子に乗った私がサポートをしてもらいながら
スロープをのぼります。
ところが…。

○櫻井
「おおっ…」

実はこのスロープ、入り口に1センチの段差がありました。
歩いている時には気にならない小さな段差も
車椅子にとっては…。

○櫻井
「いや~これだけの段差でも怖いですね!」
 これ“1センチ”ですか?」

かなりの恐怖を感じたのを今でも覚えています。



こうしたハードの面だけではなく 
ソフト面、ルールも変わります。
 
たとえば、【服装】について。
これまで議場では
上着やネクタイの着用が求められていましたが
ふたりには例外的に求めません。
また医療上、必要な場合は
通常は禁止されている帽子やコートなどを
議場で身につけることができます。



そして議場に入れるのは原則として
議員本人や国会の職員でしたが
あらかじめ届け出があれば
【介助者】が入ることができるようになります。
起立や投票による「採決」を代行することになります。
           
変わろうとしている国会ですが、まだ課題もあります。



まず国会議員の大切な仕事のひとつ
【質問】をどのように行うかです。

難病ALS患者の舩後さんは
声を発することができないため
口でチューブを噛むことでパソコンのカーソルを動かし
言葉を選んでいきます。
この方法だと、たとえば、
「よろしくお願い致します。舩後でございます」と
伝えるのに30秒弱かかることもあります。
質問時間は限られているため
持ち時間をどう確保していくかも課題になりそうです。



さらに公用車を車椅子に対応する
【福祉車両】にしたいという
要望も出されていて、検討中です。

障害者が国政に参加することで見えてくる課題を
国会がどう解決していくか注目です。