#003 アメリカ中間選挙の先には?

2018.11.05

若者が選挙結果に影響を与えるのでしょうか。

「アメリカ中間選挙、その後のトランプ政権は?」

10月中旬、ニューヨークでは。

参加者
「有権者登録は終わりましたか?」

同世代の投票を増やそうと
20歳前後の若者たちが「有権者登録」を促していました。

民主党の顔として投票を呼びかけたこの人も
ターゲットは“若者”でした。

オバマ前大統領
「若者世代が今後のアメリカの50、60、70年間の
方向性を決める世代なのに、多くが投票に行ってない」

「打倒・トランプ共和党」には
これまで投票率が低かった若者の力が必要だと考えたのです。

一方、トランプ大統領にも
この中間選挙で負けられない理由があります。

いまのアメリカ議会は上院・下院ともに
トランプ大統領の共和党が多数です。
ところが、もし中間選挙に敗れ、
下院で民主党が多数になると
議会は“ねじれ”の状態に。
この場合、下院でトランプ大統領をやめさせる提案、
「弾劾の発議」が行われる可能性があるのです。
最終的には上院で開かれる裁判で決まります。

それで思い出されるのは研修生との不倫スキャンダルを
起こした当時のクリントン大統領。
上院で行われた弾劾裁判で無罪にはなったものの
議会が大統領の進退を取り上げたことは
政権にとって大きな痛手となりました。

もし下院を民主党に奪われることになれば
トランプ大統領にとっては
常に“クビがちらついた状態”での
政権運営を強いられるのです。

…というのも、
トランプ大統領はすねに多くの傷を抱えています。

「大統領選挙へのロシア介入疑惑」「脱税疑惑」
「不倫口止め疑惑」「セクハラ疑惑」などです。

アメリカの議会には強力な調査の権限があり
もし民主党が主導権を握れば
こうした様々な疑惑で
改めて追及を受けることも予想されます。

また、“ねじれ”の影響はトランプ大統領の
“肝いり政策”にも及びそうです。



たとえば「国境に壁をつくる」といった政策を実現するには
予算を成立させる必要がありますが
民主党が議会の多数を占めれば
予算案に反対されて実現が難しくなるかもしれません。

トランプ大統領がねじれに苦しむかどうかも
投票率や有権者の選択にかかってきそうです。