この日。
集まってもらったのはカスハラに遭ったことがある当事者のみなさん。

○櫻井
「カスハラ、お客さんからの悪質なクレームというか
　そういったものについて経験をお伺いしたい。
　飲食店とか多いじゃないですか、お酒入ってとか。」
○飲食店（２０代）
「そうですね。些細なことなんですけど、禁煙のメッセージとかを
　入口に貼ってあるけど、注文した後に
　『タバコなんで吸えないんだ』とか
　一方的な感情ぶつけてくる人が、飲食店、特に多い。
　恐らく返金してほしいのか、タダめし食べたいのかというのが…」
○櫻井
「どうやって対応？」
○飲食店（２０代）
「どうしても対処できなければ返金をしてご退店頂く流れ。」
○櫻井
「返金とかもあまりポンポンやっちゃうと
　そういうお客さんも押しかけてきちゃう。」
○飲食店（２０代）
「ただそれよりも（ネットの）口コミに書かれないというのを
　大事にしてるので。
　一人よりも何百人、何千人に星の評価とかで影響してしまうので。」
　
○櫻井
「警備員さんもね…」
○警備員（２０代）
「理不尽の嵐というか…一回あったのは立って見張ってる時に
　いきなり『なに見てんだよ』って。」
○櫻井
「中学生の絡まれ方だな、それ。僕2回ぐらいありますよ。」
○警備員（２０代）
「ホントそういうのがありまして、思いっきり詰め寄ってくるとか。」

○櫻井
「バスの運転手さん、すでに大変そうな表情。
　思い出すだけで嫌だという…」
○バス運転手（４０代）
「例えば夏の頃なんですけど、運転してました。
　信号が赤になったので普通に止まった。
　そこが駅の近くの交差点で歩道橋が周り囲ってた。
　止まったら、暑い夏の日なんですけど、自分の場所が日陰になった。
　歩道橋の下だったんで。そうするとおじいさんが歩いてきて
　『おまえ涼しいところに停めたろ』と。」
○櫻井
「うそでしょ？運転手さんだけ日陰にいるじゃないかと。
　それはまさに理不尽ですね。」

○櫻井
「それこそ僕なんかもよくあるが
　スマホで写真なんか撮られてさらされるとか…」
○警備員（２０代）
「私はすでにさらされましたね。」
○櫻井
「え！？」
○警備員（２０代）
「トラブルごとがありまして、その時に
　『お前の顔おぼえたからな』とスマホで写真を撮って
　それがツイッターに流されて…
　今でも探せば見つかると思うんですけど。」
○櫻井
「怖いですね。」

○飲食店（２０代）
「たまにいるヒドイお客様は
　提供した料理を一回崩して写真撮って
　『盛り付け悪かった』とあげる人、たまにいますね。」
○櫻井
「それはホントにカスタマーハラスメント。」
○飲食店（２０代）
「嫌がらせとしか思えない。」

○櫻井
「皆さんも大変
　僕の仕事だけだと思ってましたよ。」

○警備員（２０代）
「制服を着ている人たちのことを下に見ている感じがある。
　『お前らこれやって当たり前』ミス1つ許されない。」

○櫻井
「そういったカスハラが原因で辞めていった人たちって
　実際周りにいます？」

○飲食店（２０代）
「飲食は特に多いと思うんですけど
　『私はもう接客できない』と事務業とか
　人と関わらない仕事に行く人がかなり多い。」

○櫻井
「そうすると人手不足にもなってくる？」
○飲食店（２０代）
「慢性的な人手不足の要因のひとつが恐らく、
　お客様、カスハラの方たちが原因だと思うので…負の連鎖ですよね。」

○バス運転手（４０代）
「バス業界も、とにかく人手不足で、
　その原因は運転手として感じるのはクレームか何かで
　精神的にまいって、やっぱり小さな嫌味。
　小さすぎるからわざわざ会社に上げる必要もない。
　となると自分でどうにかしなきゃいけない。
　上手く処理できる人はいいが、マジメな人ほどちゃんと対応する分
　『これは俺がいけないんだな』と思って、
　毒素が溜まっていって耐え切れなくなって辞めちゃう。」

では、それぞれがカスハラ対策として行っていることは。

○飲食店（２０代）
「個人的にだと、とことんリスクヘッジ（危険回避）をすること。」
○櫻井
「どういうこと？」
○飲食店（２０代）
「例えば来店時に混みあってる時など『提供にお時間かかります』とか、
　あらかじめクレームになりそうなことを全部、入店時に言う。」
○櫻井
「確かにお客さんの立場からするとその方が親切。お互いの為というか。」
○飲食店（２０代）
「はい。」

○警備員（２０代）
「経験からきた話だが、ボイスレコーダーを仕込んで
　外で見回りとか仕事をやる時にはボイスレコーダーをＯＮにしてから
　外に出るということはしてる。」
○櫻井
「なるほど。それこそ言った言わないの話になったりとか
　言葉遣いとかの話になった時に。」
○警備員（２０代）
「むしろボイスレコーダーを持つようになってから
　言葉遣いは特に気を付けるようになりました。」
○櫻井
「自分自身も？」
○警備員（２０代）
「はい。」

最後に、多くの人がついやりがち、というカスハラがコレ。

○バス運転手（４０代）
「駆け込み乗車。これってダイヤに大きく影響が出るんですね。
　駆け込んだ人を乗せて、財布を開けた、カードが出てきた
　なんてやってると、次の駆け込みの人が来ちゃう。
　それを繰り返すと永遠に出られなくなっちゃう。」
○櫻井
「時間に余裕持って乗るか…」
○バス運転手（４０代）
「（バス停で）待っていて頂きたい。」

○警備員（２０代）
「マナーとか常識の話になってきちゃうけど、
　自分がやられて嫌だなと思ったことは、他人にはやらないでねという
　当たり前の常識的なことをもっとみんな考えてほしい。」