• ドウスル?

#016 自宅療養者急増… 訪問診療医師の現状

2021.09.06

今回 新型コロナの自宅療養者を
訪問し診療する2人の医師に話を聞きました。

訪問診療専門のクリニックに勤める
板橋区医師会の鈴木陽一医師。
多い日には通常の往診に加え
1日6件ほどのコロナ患者を
一人で往診しています。

そして もう一人は菊池亮代表医師。
経営するファストドクターは
休日や夜間の対応が専門で
1日100件ほどの依頼を受けることも。

○櫻井
「ご自身の忙しさとしてはどうですか?」
○菊池医師
「本当に正直ここしばらく
 しっかり睡眠時間がとれていない
 というのが現状」
○鈴木医師
「私もなかなかのんびり休むことはできなくて
 緊張状態が続いてコロナの臨時往診の依頼が
 続いたっていう夢をみたりとか」

○櫻井
「まさにいつ何が起こるかわからないような
 緊張状態にいるということですよね」
○鈴木医師
「そうですね」
○菊池医師
「そうです」

そんな2人に共通する最大の悩みが…。

○菊池医師
「息苦しさが続いてる?」
○患者
「この体勢じゃないと呼吸がまともにできない」

呼吸がままならず
入院調整中だという30代の男性。
*その後男性は入院

酸素飽和度が低いため
酸素濃縮器を使い、体に酸素を送り込むことに。

しかし 自宅療養者の急増で
この「酸素濃縮器」が不足する事態が
相次いでいるというのです。

○櫻井
「酸素が足りないっていう状況はどうされた?」
○菊池医師
「1回保健所にお戻しさせてもらったり
 基本的には肺炎を疑う症例は受けられない
 という形で対応していました」
○鈴木医師
「病院に60か所以上断られてしまって
 搬送ができず
 救急隊の酸素もどんどん取り替えながら
 なくなっていって酸素濃縮器をどうしようって
 自分が渦中にいると痛切に感じた」

そして増える「家庭内感染」の問題も。

咳が止まらない20代の男性。
男性は10歳と12歳のきょうだいが
陽性になった後
家庭内感染してしまったといいます。
       
その後も

○鈴木医師
「お母さん具合わるくなっちゃったの?」

一家3人とも感染したという患者の診療へ。

○櫻井
「例えば訪問にいったら
 家族全員かかってるみたいなこともある?」
○鈴木医師
「そうですね」
○菊池医師
「かなり多いと思います」
○鈴木医師
「実はその訪問をしていて
 他の家族の方が検査をしていない
 っていう家庭が意外とあるんですよね
 でも感染が広がっていかないために
 やっぱりそのどなたか家庭内で陽性になったら
 家族の方もはまずは検査を受けてほしい」

さらに こんなケースも。

○菊池医師
「5歳の方が肺炎を起こしていた
 っていう症例が実は1件あって
 小児に関しても肺炎をおこしうるんだ
 ってかなり危機感をもっています」

○櫻井
「依然として厳しい状況であることは
 変わりないということですか?」
○鈴木医師
「板橋区だったら
 毎日150人から200人の間の
 自宅療養者が発生してしまうんですけど
 その中で日々私たちが介入できるのは
 頑張っても10分の1くらいなんですよね
 それ以外の人がずっと医療を受けられず
 不安の中を過ごしているのが依然として現状」
○菊池医師
「感染者が減ってきて
 入院病床のひっ迫が少し改善されて
 それから在宅医療の現場は良くなってくるので
 まだまだしばらくは厳しい時間が続くのかな
 と考えております」

○櫻井
「本当に心配な方々多いと思うんですけど
 私たちにできることっていうのは」

○菊池医師
「できることは肺炎の初期症状を
 しっかり理解することだと思っています
 呼吸回数が1分間に20回超えてくる場合は
 肺炎を疑ってなるべく真剣に保健所だとか
 周囲の医療機関に相談することをすすめます」
○鈴木医師
「ご家族もし別々の部屋にいたとしても
 毎日何回かは『いま値いくつ?』『熱何度?』
 とかお互いにチェックをしていただいた方が安全」

○櫻井
「家族間あるいは同居している人と情報を共有しておく
 事前に話し合っておくっていうことが
 とにかく重要だってことですよね」
○菊池医師
「そうです」
○鈴木医師
「その通りだと思います」

○菊池医師
「まだまだワクチンだとか医療体制が
 しっかりと整ってきていない段階においては
 いかに自分が感染しないかが
 一番大事だというふうに思っています」

○鈴木医師
「本当にコロナ疲れ
 嫌気がさしているっていうのは
 ごもっともなんだけど
 本当に危ない状況にあるので
 一緒にこの災害同様の状況を乗り越えたい
 というふうに思っています」

 

こちらの記事もオススメ!