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真珠湾攻撃から80年・・・103歳元搭乗員語る

2021.12.06

吉岡政光さん103歳。
魚雷を落とす雷撃機の搭乗員として
真珠湾攻撃に参加。
当時23歳でした。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
「私が魚雷を落とした時間がですね
 日本時間の午前3時33分
 真っ白い水柱がこう浮かび上がってくる
 『ああ当たったぞ!』と」
 魚雷を落としたい、
 あてたいということしか考えてなかった」

80年前、
旧日本軍がアメリカ・ハワイを
奇襲した「真珠湾攻撃」。
その後に続く太平洋戦争の始まりとなりました。
この時、吉岡さんが乗っていたのが
97式艦上攻撃機。

今回、その攻撃機の初期型のレプリカが
制作されている場所を訪ねました。

○櫻井
 「吉岡さん覚えてますか?」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「はい」

重さ800キロを超える
魚雷を抱え飛行した攻撃機。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「ちょっと降ろさせていただいていいですか」

吉岡さんも実物大を目にするのは
80年ぶりのこと。

○櫻井
 「吉岡さん3人乗ってたんですか」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「3人です。私は真ん中に乗っていたんです」

吉岡さんが決死の覚悟でのった場所に実際に乗ってみると。

○櫻井
 「結構中深いですね、完全に逃げ場がない」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「入ったらもうそんなに体動かすことが
  できないですよ」

こうした攻撃機と共に向かったハワイへの奇襲。

○櫻井
 「真珠湾攻撃はどんな戦いでしたか」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「日本は飛行機の燃料なんかもみんな
 アメリカから購入してたはずです。
 どんな仲が悪くても
 アメリカと戦争するとは思わなかった。」

目的も知らないまま
攻撃機を載せた空母で出航した吉岡さん。
海の上でハワイへの奇襲を伝えられました。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「これから連合艦隊全部力を合わせてやると
 言われたので戦いに参加させてくれてうれしいなと」
○櫻井
 「うれしいなって?」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「はい、そう思ってたんですけどね
 これは大戦争でおまえたちは死んでくれ
 ということだなと要は決心しなくちゃならない。
 23歳の若造が死ぬということを決心する
 ということは大変なことですよ」

さらに。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳) 
「数日をすぎてから拳銃を一丁いただいたんですね」
○櫻井
 「なんでですか?」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「それはもしもの時の自決用の」

そして1941年12月8日、日本時間未明。

○櫻井
 「向かうときの気持ちは覚えてらっしゃいますか」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「機体から下をみましたところ『ハワイだ!』って。
 するとすぐに全軍突撃せよってなりました
 翼のちょっとの間を顔をあげたら
 白い洋服をきた兵隊がたくさんのっていた
 それをちらっとみながら
  操縦員が『よーい射て』って言ったので
 私がもっている魚雷を落とす投下索を引っ張って」
○櫻井
 「そういうときお気持ちはどういう」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
「魚雷を落としたからには
 自分のは当たってもらいたいですよね。
 だからそればっかり一生けん命やって眺めて。
 魚雷があたったということで非常に安心しましたけど」


吉岡さんが放った魚雷でアメリカの軍艦ユタは沈没。
真珠湾攻撃では民間人を含むアメリカ人
およそ2400人が命を落としました。

○櫻井
 「戦時中というのはもちろんですけど
 アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「私は『航空母艦と戦艦を沈めてこい』
 という命令を受けているんですね。
 『人を殺してこい』ってことは聞いていないです。
 したがって命令通りの仕事をしたんだ。
 もちろん人が乗っていることはよくわかっています。
 しかしその環境というと私も同じ条件です。
 ですけどもそれとは切り離すと
 戦争はしちゃいけないということを
 一番身をもって知っているのは
 私たちだと思っています」

同じ空母に乗っていた仲間は
その後の戦いでほとんどが戦死しました。

終戦後100歳を超えるまで
この体験について
ほぼ話すことはなかったという吉岡さん。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「戦争の話をしますと顔を知った人が
  浮かんでくるんです。
  あれも死んだなこれも死んだなって
  思い出すもんですからなんとなく思い出したくなくて
 話してこなかった」
○櫻井
 「真珠湾から80年経つ今若い世代に
  伝えたいことはありますか」
○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「戦争というのは一番人が死ぬんですよね
 戦争だけはやめた方がいいということは
 私たちが一番よく知っているんです。
 だから私の話を聞いてもらってね
 少しでも人が人を殺しちゃいけないということを
 頭の芯からおぼえるように
 助けになれればいいなと思っている」

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