• ドウスル?

尾身会長×櫻井キャスター 単独インタビュー

2021.01.18

○櫻井
「緊急事態宣言が出てから10日たちましたけれども
 その効果は?」

○尾身会長
「効果を判定するのは
 もう来週の末ぐらいまでかかると思います。
 ただ人の流れなんかも減ってきていますし
 一体感が少しずつ出てきているので
 ぜひ私は期待したいと思うが
 これからが勝負だと思います」

○櫻井
「今回の緊急事態宣言が前回と比べると
 “準”緊急事態宣言というか、前回と比べると緩い。
 もう少し最初から厳しくというのは?」

○尾身会長
「それはなかなか良い質問ですが
 前回はこのウイルスのことを全くわかっていなかった。
 ところが今回は、この病気の特徴というのは
 ほとんどの人が感染しても症状が軽い
 ということもわかっているし
 食を介してうつるというのもわかってきたし
 マスクの着用がかなり有効だということが
 わかってきた。

 色んなことがわかってきたので
 前と同じことをやるよりも
 むしろリスクが高いところを集中してやる
 という方が効果があるということで
 ここまでくると外出の自粛というものは
 どうしても必要なので
 今は昼夜を問わず不要不急の外出は控えて
 というのをお願いしている」

○櫻井
「解除の基準の目安
 先生はステージ2を目標に下げることが必要。
 政府はステージ3。
 東京都や西村大臣は500人といろんな目安があるが
 どれを重視したらいい?」

○尾身会長
「数字も大事です。
 だけど私が申しあげたいのは、それよりも明らかに
 医療体制、保健所の負荷がどれだけとれているか。
 それをステージ3相当に下ろすこと
 その上にステージ2まで行くような見込みがある
 というのも重要で
 ステージ3にいったから良いじゃなくて
 ステージ3にいって
 しかも改善されているという傾向が大事で
 そういうことを考えて解除
 医療体制あるいは保健所の体制で
 負荷がとれていなければ
 それは目的を達したことにはならない」

○櫻井
「先生の言葉で印象的だったのが
 緊急事態宣言そのものが感染を
 下火にする保証はないという言葉。
 緊急事態宣言そのものが発出されるかどうかではなく
 発出されようがされまいが
 私たちが気をつけることを
 気をつけないといけないということ?」

○尾身会長
「4月との違い、
 症状の出方とかはっきりとわかった
 ということがありますけど
 感染症対策上、一つ大きな違いは慣れが出てきて
 自治体や国からの要請
 行動変容の要請に対する
 協力が明らかに得にくくなっている。

 そこには分かりやすい、みんなの心に響く
 なるほど、そうだ。というメッセージじゃないと
 伝わらないということで
 私は出したから
 無条件でうまくいくということではなく
 そこには政府や自治体のメッセージの出し方も重要で
 そこに今応えていろんな
 環境を作ってくれていますよね。

 お金の問題、法律の改正ということも。
 それに一般市民も応えていただきたいし
 応えてもらえるようなメッセージの出し方も必要。
 そこが私は今最も重要なポイントだと思っている」

○櫻井
「2020年4月の時には、接触8割減のような
 わかりやすいメッセージがあったが
 こうしたわかりやすいメッセージは
 今は伝えない?」

○尾身会長
「ぜひ5つのポイントを。
 1つはもうすでに
 医療崩壊というのが始まってしまっていて
 若い人だって病気に
 盲腸になったりケガをする
 普通だったらすぐに緊急外来にいけるが
 そういうことがもうすでに
 できにくくなっている。

 2番目は
 ウイルスの特徴で
 感染しても特に若い人はほとんど
 症状がなかったり軽症なんです。
 これが特徴なんです。
 感染が少し時間差があって
 高齢施設、病院、家庭にいって
 感染が伝播し
 それによって重症化が起き
 医療の崩壊につながっている
 という一面が間違いなくある。

 3番目は
 若い人は高齢者に比べて
 感染しても重症化しないのは明らか。
 重症化する人は少ないが
 後遺症が残る人は結構います。
 脱毛したり、神経症状
 これがかなり続くということがあるので
 それに気をつけて
 そういうこともあるんだと。

 4番目ですけど
 今でも1年近くの間
 コロナのために 経済も大変疲弊しています。
 GDP 職を失う人、特に非常勤、非正規の人
 ますます若い人の仕事の
 チャンスが減ってくるということもある。

 最後、一番大事なことですけど
 今回8割削減ということをしなくても
 むしろフォーカスをおいてやった理由
 最後のポイントは
 3密を避けると何度も言っていること。

 若い人のちょっとしたことで 
 日本の医療を救える、一番の立役者になれる
 高齢者の命と日本の医療を
 是非5つの点をやって
 日本の社会を救えるんだというメッセージが
 若い人の間で伝わってくれるとありがたい」

○櫻井
「若い人は活動量も多い
 いつまでというのが気になるが
 どれくらいのメド?」

○尾身会長
「いつまで続くとははっきり言えませんけど
 苦労してきたけど
 最後の一歩をすると
 だんだんとワクチンも出てきて
 光・希望が見えるので
 最後のちょっとした辛抱というか。

 本当にこの病気は
 非常にめんどくさい病気なんです。
 SARSという病気がありましたね
 非常に正直な病気になると
 症状がでて初めて人にうつす。
 悪人らしい顔をしている。
 今回は悪人なのか善人なのかわからない
 そういう病気ですよ」

○櫻井
「今の先生の話では
 1人1人の意識が変わることで
 この先の数字が変わっていくのは
 確かなことですよね」

○尾身会長
「私どもは感染症対策に長く携わってきて
 今いったような
 リスクが高いところを中心に防ぐ。
 避けるということができれば
 間違いなく下がります。 
 かなり急速に下がります。
 ここは我々市民の意識と
 行動にかかっているんです。
 そのことは是非お伝えできれば」

こちらの記事もオススメ!