#004 宅配「配達員」の悩み
○櫻井
「不在率の高い僕が皆さんに
この話聞くのは非常に心苦しいんですよ・・・」
この日集まってくれたのは
私たちに様々な物を届けてくれる配達員のみなさん。
打ち明けてくれたのは、過酷な勤務の実態です。
○櫻井
「どれくらいその時間としては働いているんですか?」
○大手運送会社Bさん(30代)
「僕は朝の9時から夜の10時過ぎとか」
○櫻井
「そんなに?」
○大手運送会社Bさん(30代)
「はい、長い人はもっと長いので」
○櫻井
「それで休憩が?」
○大手運送会社Bさん(30代)
「休憩は本当とれない時は全くとれないですね」
○櫻井
「えええええ」
○大手運送会社Bさん(30代)
「常々時間に追われていますので
1分でも過ぎないように配らないといけないというところで」
○櫻井
「1分も過ぎたらだめなんですか?」
○大手運送会社Bさん(30代)
「過ぎたら不履行と会社側から言われたりもするので」
○櫻井
「お客さんに配達した先で言われる事とかもあるんですか」
○大手運送会社Bさん(30代)
「厳しいお客様は『おせえよ』とか」
そのワケはネット通販の普及。
荷物の量は2009年度よりおよそ12億個も
増えている一方で、働き手の数はほぼ変わっていないのです。
さらに追い打ちをかけるのは。
○大手運送会社Aさん(40代)
「タワーマンションが増えてきたっていう影響は結構大きい。
今までは配達の範囲が広くなることが
仕事の負担だったんですけど
それがどんどん上に上がってきてる」
○櫻井
「なるほど」
○大手運送会社Bさん(30代)
「エレベーター待ってるだけで結構時間とられる」
○櫻井
「コンパスでかいた範囲だけが
仕事の分量じゃないんですね。そこから縦にのびてる」
○櫻井
「ウーバーイーツはどうですか?」
飲食店などのデリバリーを
店に代わって行うウーバーイーツ。
2016年に日本上陸したばかりで、
配達の際の明確なルールがなく苦労することも。
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「お店の梱包がよくないっていうパターンですね。
うどんとかラーメンの配達なのに
ちょっと傾けたら汁がこぼれてしまうような入れ物で
やっているような店っていうのも結構あったり」
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「ウーバーイーツの鞄もあるんですけど」
○櫻井
「みたい」
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「中身はこういう感じなってるんですけど
ここに小さいうどん一個置いただけだと
すごく動いちゃうので、
僕とかはクッションを入れたりタオルを入れたり」
○櫻井
「スペース埋めるように・・・
ちょっと持ってもいいですか?重いですか?」
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「結構重いですよ」
○櫻井
「空でこんなに重いんだ。
背負う方がいくぶん楽だけど・・・」
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「自転車は前傾姿勢になるので、すごく紐を緩めてて
紐をキュってやっちゃうと前傾姿勢になった時に
(前に)傾いちゃって・・・
紐をダラってあえてしてるんですよね」
○櫻井
「キュってやるとこうなっちゃいますもんね。
自分の首にうどんがふっかかってくる可能性が」
配達員の抱えるさまざまな悩み。
背景には私たち、荷物を受け取る側の問題も。
○大手運送会社Aさん(40代)
「お客様の方が『何時に来てくれ』っていう
再配達を希望する指定時間内にいっても
いらっしゃらないっていう状況」
○大手運送会社Bさん(30代)
「ありますよね」
○櫻井
「再配達でも?」
○大手運送会社Aさん(40代)
「ひどければ何日も連続で同じところいったりとか」
○ウーバーイーツユニオン執行委員長
前葉富雄さん(29歳)
「会社からから帰る前に注文して間に合わなくて
『まだ帰れません、待っててください』
という時もたまにありますけど」
さらに。
○大手運送会社Aさん(40代)
「明らかに在宅しているのが
わかっているのに出てこない状況」
○大手運送会社Bさん(30代)
「以外と多いですよね」
○櫻井「多いんですか」
○大手運送会社Bさん(30代)
「ベランダに出ていてたから分からなかった
とかありますし」
○櫻井
「インターフォンが聞こえない」
○大手運送会社Aさん(40代)
「お風呂場が割と廊下に近い所にあったりすると
明らかにシャワー浴びてるなって」
○櫻井
「でもそれ困りますよね。
時間指定しているわけですから
今シャワー入らなくてもよくない?って」
○大手運送会社Aさん(40代)
「そういうことです。
今度それを『(在宅して)いたのにどうしてこなかった』
って言い方されるとちょっとうーんという感じはする」
○櫻井
「どうしたら親切なんですか?
僕みたいな人たちは配達する方にとって」
○大手運送会社Bさん(30代)
「遅れても『いいですよ』とか
『雨の中ありがとうございました』とかいう
言葉があるとうれしいです」
○大手運送会社Aさん(40代)
「もちろん仕事なので正確さは当然必要ではあるんですけど
人がやっている仕事なんだっていうことを
理解していただけるとお互いストレスが
たまらないんじゃないかなって」