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戻る?「原発の町」20歳の思い…東日本大震災11年

2022.03.07

○櫻井
「ああ結構そのままになっちゃってますね。いろいろ物が倒れたままだったり。
 車も10年以上このままなのかもしれないですね」


 

福島第一原発の事故から11年。
2022年春、ようやく避難指示が解除され、
住民が戻ることができる福島県大熊町下野上地区。

○櫻井
「駅前は今もまさに除染作業中ってことですね」

2013年に取材で訪れているこの町。
当時は特別な許可を得て、防護服を着ないと入れませんでした。

○櫻井
「大変ご無沙汰しています」

2013年も町を案内してくれた、大熊町役場の永井さん。



○大熊町役場 永井誠さん(50)
「商店街側なんかは解体がだいぶ進んで変わっていると思います」

駅前の商店街は解体が進み
また、新しい店ができるよう準備が進められています。


しかし課題も。

○大熊町役場 永井誠さん(50)
「春に解除するとなって、このエリアで実際に住む物件が少ない」
○櫻井
「やっぱり時間もたって傷んでしまったっていうことも大きいんですかね」
○大熊町役場 永井誠さん(50)
「そうですね、それが一番大きいですね」

11年たって、傷んだ住宅。

○櫻井
「人が入れる状況が整ったからといって、イコールそれが生活できるわけでもないと」

大熊町によると、解除後に戻ることを見据えた準備の申請をしている人は46人。
元の人口の1パーセント未満です。(2022年3月6日時点)


○櫻井
「よろしくお願いします」


かつて大熊町下野上地区に住んでいた、門馬大輝さん 20歳。
震災当時は小学3年生、下校中に被災しました。



○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「ちょうどここら辺で地震が来て、地震があった時にみんなしゃがんで。
 怖かったですね、記憶に焼き付いている」

その後、避難した児童館は・・・
町に住みたい人を支援する新たな施設に改修中。



そして3年間通った小学校も。
シェアオフィスなどの施設になる予定で、すでに20社ほどから申し込みがあるといいます。


完成イメージ(提供:大熊町役場)

○櫻井
「でも思い入れのある小学校が変わってしまうのはちょっとさみしいですね」
○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「そうですね、さみしい気もするんですけど
 新しくまた使ってもらえるならっていう気持ちもあります」


では、門馬さん自身はふるさとに戻るのでしょうかー

○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「ここが家のあった場所なんですけど」
○櫻井
「門馬さんの家も解体したんですか」
○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「そうです、解体しました」



○櫻井
「また戻ってきたいという思いは」
○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「あります。暮らしやすかったのがあるかもしれない。
 なんでかはっきり言えないけど戻りたいという気持ちが強くあります」

“ふるさとに戻りたい”
ただ、今すぐは難しいとも話します。

現在、避難先のいわき市に新しく家を建て家族4人で暮らしている門馬さん。
2021年からはいわき市の会社で働き始めました。

避難先に生活の基盤ができているのです。

○櫻井
「11年たって解除になるということに関しては?」
○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「11年は結構長い
 自分が大熊に住んでいたころよりも、避難してからの方がもちろん長いので
 今更感はあるかもしれないけど、戻れることに関してはうれしく思います」
○櫻井
「やったーとも、もっと早くともなんとも言えない?」
○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「そうですね、ごちゃごちゃしたような感じがします」

20歳が抱える複雑な思い。それでも。

○震災前大熊町に居住 門馬大輝さん(20)
「自分が戻るっていうことに関して
 金銭的な面であったり生活面であったりそういうのが
 自分で積極的にできる年齢になってからまたこの土地を選びたいなって」

 

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