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石垣駐屯地・・・ミサイル配備“国防の最前線”

2023.07.17

沖縄県・石垣島。
沖縄本島より台湾に近いこの島に、今年、新たな防衛拠点がつくられました。

○櫻井
「石垣駐屯地と書かれています。
 上には沖縄らしくシーサー、まだちょっと真新しい様子が感じられますね」

3月に開設したばかりの陸上自衛隊「石垣駐屯地」。
エンブレムにも“沖縄らしさ”が…。

櫻井「ワシですか、これは」

中央に描かれたのは、八重山地域に生息するカンムリワシ。
そして広げた羽には…。

○石垣駐屯地
安楽 竜治 三等陸佐
「羽が32枚。
尖閣諸島を含む八重山有人島・無人島32島を表している。
これを守ると」

中国が領海侵入を繰り返す尖閣諸島の防衛も担う
石垣駐屯地は“国防の最前線”とも呼ばれています。

その理由がわかるのが、司令室に飾られたこの地図。

○石垣駐屯地
井上 雄一朗 司令
「これは大陸側から見た日本を表した地図」

上に北海道・下に沖縄の普段見る地図を回転させ、大陸側から見た通称「逆さ地図」。

○石垣駐屯地
井上 雄一朗 司令
「中国側から見て、台湾、南西諸島、フィリピンがどう見られているのか。
我々の南西諸島は、中国にとっては壁になる」

○櫻井
「改めてこの地図を見ると
石垣・与那国というのが最前線になると、はっとさせられる地図」

その防衛の要とも言える装備の訓練を、特別に見せてもらいました。
敵の船を地上から迎撃する「地対艦ミサイル」。

○櫻井
「早い!」

一糸乱れぬ動きで、6発のミサイルの発射準備が完了。
敵からの攻撃による被害を減らすため、素早く展開することが重要だといいます。

これが実際の発射の様子。

さらに、敵の戦闘機などを迎撃する「地対空ミサイル」も配備。

空や海からの攻撃を防ぐ「ミサイル部隊」。

そしてこんな訓練も…。

○櫻井
「全然わからない…」

うっそうとした茂み。そのなかで…。

○櫻井
「ちょっと葉っぱが動いている」

実はここに身を隠した狙撃手が…。

○櫻井
「あれはほふく前進?」
○隊員
「ほふく前進ですね」

敵に気づかれることなく、狙撃地点まで近づくための訓練。
そして…。

○隊員
「いまカチャカチャ音がしたので、弾込めして射撃できる体勢に。
見つかってしまったら最後、死と直結するイメージでやっています」

狙撃手は敵にとって脅威となり、狙われる危険があるため、顔出しはNG。

○櫻井
「後ろもよろしいですか?この森に一体化するように?」
○狙撃手
「そうですね、はい」
○櫻井
「蛇が通る、虫が触れるそういったことがあっても
一切声を出すことなく?」
○狙撃手
「いつも通り平常でいること。そういう訓練もしています」

有事に備えて、日々続けられる訓練。

○石垣駐屯地
井上 雄一朗 司令
「敵が間違った思いをしない、
侵略しようという誤った判断をしないために我々は鍛える。
抜かない刀を鍛える」
○櫻井
「存在そのものが抑止力になりうる」

任務にあたる隊員の思いは。

○上盛 達也 二曹(40)
「出身が石垣島」
○櫻井
「こちらなんですか!」
○上盛 達也 二曹(40)
「入隊した時は自衛隊が配備されるとは、夢にも思ってなかった。
自衛官として地元で勤務できるということは、すごく誇らしい」

一方で、複雑な思いも…。

○上盛 達也 二曹(40)
「地域の人のつながり・ご理解も、まだ強く頂いているわけではない。
 それをいかに、どうやってこれから作り上げていくか」

同じ石垣島出身の妻・奈津希さんも。

○櫻井
「複雑な思いも?」
○上盛二曹の妻・奈津希さん(39)
「ありましたね」
○櫻井
「ずっと生まれ育った場所に、駐屯地ができるというところ?」
○上盛二曹の妻・奈津希さん(39)
「そうですね。
主人の仕事を理解してもらって、ともに生活していきたい。
 みんなの理解を得られたらいいな」


ただ「駐屯地があることで島が攻撃される」と言った反対の声や、
開設までのプロセスに疑問を抱く島民もいます。

駐屯地の近くで、
家族とマンゴー農園を営む金城龍太郎さん。

○金城龍太郎さん(33)
「計画の進め方で、どうしても周辺の住民や
疑問に思っている人の不安をぬぐえないまま
 誠意が見えないまま、進んでしまったところがすごく残念」

金城さん自身は、賛成・反対は訴えず
石垣市に対して「自衛隊配備」の賛否を問う住民投票の実施を求めましたが、
市議会で否決されました。

○金城龍太郎さん(33)
「隊員の中にも同級生や先輩後輩もいて、親しみがあるんですけど
大きい問題があって、賛否が分かれて
関係がギクシャクするとすごく住みづらい島。
お互いが歩み寄って、いい島になっていったらいい」

 

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