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#020 教員の労働環境改善は?「部活動改革」本格スタート

2023.04.24

今回、話を伺ったのは
部活の顧問を担当している
中学校の教師たち。

競技経験はないものの、
軟式テニス部とソフトボール部を
担当しているといいます。

まずは。

○櫻井
「率直に部活動の教員としての大変さ
 どういうところにある?」

○ソフトボール部顧問(30代)
「平日部活動が終わってから、
 業務します。
 土日も大会になったら
 拘束される時間が
 増えてしまうので。」

○櫻井
「休日ってあるんですか?」

○ソフトボール部顧問(30代)
「土日両方試合とかになったら
 1か月の休み、3日間だけとか。」

○櫻井 「ええ!」

○ソフトボール部顧問(30代)
「普段の業務をしながら部活というのが
 正直無理だと思う。」

こうした働き方を正そうとするのが、
部活動の地域移行。

放課後や休日も指導をする
顧問の教師に変わり、
部活指導員と呼ばれる
地域の人材が生徒を指導。

教師の負担を減らすための
部活動改革のひとつです。

○櫻井 
「新年度から部活動改革ということで
 地域移行がされましたけど、
 率直な感想というのは?」

○軟式テニス部顧問(20代)
「人材の確保というのは
 地域移行を進める上で
 一番の問題になるのかなと思います。
 平日の夕方2時間だけど
 土日という風な、その特殊な時間を
 自由に動ける人というのは、
 ずいぶん限られているなって
 考えているので。」

○櫻井 
「今、どうしようというのは、
 決まってる?
 これからどのように
 確保しようというのは。」

○軟式テニス部顧問(20代)
「確保したいという気持ちがあるだけで
 正直、見通しが持ててない
 状態ですね。」

さらに部活指導員が見つかったとしても
不安な点が…

○ソフトボール部顧問(30代)
「ちょっと保護者とトラブル
 起こしてしまったとか、
 何か問題起きたときに、結局、
 我々教員が動かなきゃならんの
 じゃないかという…
 それだったら保護者の方と生徒と
 日頃から関係ができてる
 我々がする方が、
 いい効果が得られる方が
 もちろんあると思うので。」

こうした中、
指導を受ける側の中学生からは…

○zero
「部活動の地域移行、知ってる?」

○中学生
「知ってます。
 楽しく部活やりたいんで、
 勝利に執着しすぎるとか
 そういうのあると
 怖いなぁって思います。」

○中学生
「(指導員)いた方が上達する。
 いた方がいいけど信頼がある人に…」

部活指導員がどういう人なのかが
気になるという声が。

そして実際、すでに指導員として、
中学校の軟式テニス部を 
木曜日と土曜日に指導している
大学生にも話を聞きました。

○櫻井 
「やってみていかがですか?
 指導員という立場は。」

○軟式テニス部 指導員
「子供との距離感というか、
 どこまで踏み込んでいいのかという
 叱るとか、注意するという面が
 結構、難しいなという風に。」

○櫻井 「なるほど」

○軟式テニス部 指導員
「信頼関係というのが、
 まだそんなにない状態なので
 そんなに言うことを
 聞いてくれなさそうだなという風に。
 ちょっとナメられてると言ったら
 あれですけど。そういうのはある。」

○櫻井 
「逆言うと年齢も近いし、
 先生とは違う距離感というか。」

○軟式テニス部 指導員
「そうですね。」

○櫻井 
「指導員やろうと思った経緯、
 きっかけは?」

○軟式テニス部 指導員
「私は今、筑波大の軟式庭球部という
 部活に所属しているが
 その先輩から紹介してもらって
 という形で。」

○櫻井 
「どのような形で報酬というのは?」

○軟式テニス部 指導員
「多分、高い方だと思うんですけど、
 1回2時間で6600円頂いていて。」

○ソフトボール部顧問(30代)
「いいなぁ。2時間で6千円って、
 僕らが欲しいくらい。
 なんぼでも頑張りますよ。」

○櫻井 
「でもそれもひとつの指導員の方の、
 確保をどれだけできるか、
 モチベーションに
 大きくつながる話ですからね」

地域によって生徒の家庭から徴収する
ケースもあるという指導員の報酬。

しかし、
そこにも課題があるといいます。
  
○軟式テニス部 指導員
「私の所は生徒から月謝として
 1500円頂いてて
 部員が40人くらいいると
 思うんですけど、
 そのうち20人くらいしか
 参加してないという状況。」

○櫻井 
「何でですか?」

○軟式テニス部 指導員
「色々、経済的な事情も
 あるかもしれないですし。」

○櫻井 
「そこにちょっと差が
 生まれてしまうというか。
 そういった懸念というのは
 感じるところですか?」

○ソフトボール部顧問(30代)
「普通の部活動でも、
 ちょっと交通費出すのも
 しんどいお家というのもありまして、
 家庭によってしまうところも
 あるんですが…」

家庭の費用負担が増えることで
部活への参加に差が出てくることも
あるのでは、と言います。

○櫻井 
「現状で地域移行の教師、子供たち、
 お互いのためになるような
 兆しは見えそうですか?」


○軟式テニス部顧問(20代)
「学校単位で、我々一教員が、
 地域移行を目指すんだというような
 ところで動いても、
 財源だとか人材だとかの確保は
 どうにもならないような
 問題でもあるので、
 ぜひここは日本国人全員に、
 こういった問題があるんだ
 ということは
 把握して頂いた上で、
 行政の方で主導になって
 環境を整えて頂けると
 子供たちの明るい未来のために
 つながっていくのかなと。」

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