#020 教員の労働環境改善は?「部活動改革」本格スタート
今回、話を伺ったのは
部活の顧問を担当している
中学校の教師たち。
競技経験はないものの、
軟式テニス部とソフトボール部を
担当しているといいます。

まずは。
○櫻井
「率直に部活動の教員としての大変さ
どういうところにある?」
○ソフトボール部顧問(30代)
「平日部活動が終わってから、
業務します。
土日も大会になったら
拘束される時間が
増えてしまうので。」
○櫻井
「休日ってあるんですか?」
○ソフトボール部顧問(30代)
「土日両方試合とかになったら
1か月の休み、3日間だけとか。」
○櫻井 「ええ!」
○ソフトボール部顧問(30代)
「普段の業務をしながら部活というのが
正直無理だと思う。」
こうした働き方を正そうとするのが、
部活動の地域移行。
放課後や休日も指導をする
顧問の教師に変わり、
部活指導員と呼ばれる
地域の人材が生徒を指導。
教師の負担を減らすための
部活動改革のひとつです。
○櫻井
「新年度から部活動改革ということで
地域移行がされましたけど、
率直な感想というのは?」
○軟式テニス部顧問(20代)
「人材の確保というのは
地域移行を進める上で
一番の問題になるのかなと思います。
平日の夕方2時間だけど
土日という風な、その特殊な時間を
自由に動ける人というのは、
ずいぶん限られているなって
考えているので。」
○櫻井
「今、どうしようというのは、
決まってる?
これからどのように
確保しようというのは。」
○軟式テニス部顧問(20代)
「確保したいという気持ちがあるだけで
正直、見通しが持ててない
状態ですね。」

さらに部活指導員が見つかったとしても
不安な点が…
○ソフトボール部顧問(30代)
「ちょっと保護者とトラブル
起こしてしまったとか、
何か問題起きたときに、結局、
我々教員が動かなきゃならんの
じゃないかという…
それだったら保護者の方と生徒と
日頃から関係ができてる
我々がする方が、
いい効果が得られる方が
もちろんあると思うので。」
こうした中、
指導を受ける側の中学生からは…
○zero
「部活動の地域移行、知ってる?」
○中学生
「知ってます。
楽しく部活やりたいんで、
勝利に執着しすぎるとか
そういうのあると
怖いなぁって思います。」
○中学生
「(指導員)いた方が上達する。
いた方がいいけど信頼がある人に…」
部活指導員がどういう人なのかが
気になるという声が。

そして実際、すでに指導員として、
中学校の軟式テニス部を
木曜日と土曜日に指導している
大学生にも話を聞きました。
○櫻井
「やってみていかがですか?
指導員という立場は。」
○軟式テニス部 指導員
「子供との距離感というか、
どこまで踏み込んでいいのかという
叱るとか、注意するという面が
結構、難しいなという風に。」
○櫻井 「なるほど」
○軟式テニス部 指導員
「信頼関係というのが、
まだそんなにない状態なので
そんなに言うことを
聞いてくれなさそうだなという風に。
ちょっとナメられてると言ったら
あれですけど。そういうのはある。」
○櫻井
「逆言うと年齢も近いし、
先生とは違う距離感というか。」
○軟式テニス部 指導員
「そうですね。」
○櫻井
「指導員やろうと思った経緯、
きっかけは?」
○軟式テニス部 指導員
「私は今、筑波大の軟式庭球部という
部活に所属しているが
その先輩から紹介してもらって
という形で。」
○櫻井
「どのような形で報酬というのは?」
○軟式テニス部 指導員
「多分、高い方だと思うんですけど、
1回2時間で6600円頂いていて。」
○ソフトボール部顧問(30代)
「いいなぁ。2時間で6千円って、
僕らが欲しいくらい。
なんぼでも頑張りますよ。」
○櫻井
「でもそれもひとつの指導員の方の、
確保をどれだけできるか、
モチベーションに
大きくつながる話ですからね」
地域によって生徒の家庭から徴収する
ケースもあるという指導員の報酬。
しかし、
そこにも課題があるといいます。
○軟式テニス部 指導員
「私の所は生徒から月謝として
1500円頂いてて
部員が40人くらいいると
思うんですけど、
そのうち20人くらいしか
参加してないという状況。」
○櫻井
「何でですか?」
○軟式テニス部 指導員
「色々、経済的な事情も
あるかもしれないですし。」
○櫻井
「そこにちょっと差が
生まれてしまうというか。
そういった懸念というのは
感じるところですか?」
○ソフトボール部顧問(30代)
「普通の部活動でも、
ちょっと交通費出すのも
しんどいお家というのもありまして、
家庭によってしまうところも
あるんですが…」
家庭の費用負担が増えることで
部活への参加に差が出てくることも
あるのでは、と言います。

○櫻井
「現状で地域移行の教師、子供たち、
お互いのためになるような
兆しは見えそうですか?」
○軟式テニス部顧問(20代)
「学校単位で、我々一教員が、
地域移行を目指すんだというような
ところで動いても、
財源だとか人材だとかの確保は
どうにもならないような
問題でもあるので、
ぜひここは日本国人全員に、
こういった問題があるんだ
ということは
把握して頂いた上で、
行政の方で主導になって
環境を整えて頂けると
子供たちの明るい未来のために
つながっていくのかなと。」