• キキコミ

#268 イラン情勢激化・・・日米首脳会談の対応は

2026.03.16

○藤井
トランプ大統領は
日本などに対して、
ホルムズ海峡への
艦船の派遣を求めました。

 

櫻井さん、
もし自衛隊を派遣するとなった場合、
日本としては4つのパターンが
考えられるそうですね。

○櫻井
そうなんです。
3月16日、高市首相は
「まだ一切決めていない」と
述べていますが、
考えられる選択肢は主に4つです。

 

 

まず、
「存立危機事態の認定」。

 

認定されると、
日本が直接攻撃はされていなくても、
日本と密接な関係にある
ほかの国が攻撃された場合、
一緒に反撃できるというものです。

過去の国会審議では
ホルムズ海峡にまかれた機雷を
除去する活動が
具体例として挙げられました。

 

 

また、認定には要件があって、
「我が国の存立が脅かされ
 国民の生命・自由及び
 幸福追求の権利が
 根底から覆される
 明白な危険がある事態」
と法律に明記されています。

 

 

次に「重要影響事態の認定」です。

 

認定されると、
アメリカなどの軍隊を
給油などを通じて
後方支援することができます。

 

 

○藤井
3つめの「海上警備行動」は
3月16日の国会でも
議題にあがっていましたよね。

○櫻井
これは自衛隊が海の治安の維持など、
警察のような活動を行うという
位置づけで、
船舶を護衛できるというものです。

 

ただ、護衛できるのは
日本に関係する船舶のみ。
武器の使用にも制限があります。

 

 

そして、最後。
現在も日本が行っている
「調査・研究」です。

 

日本が関係する船舶の
安全を確保するため、
2020年から
自衛隊の護衛艦などを
中東地域に派遣しています。

ただ、行っているのは
海域に異変がないかなどを
情報収集する活動です。

活動海域は
アラビア海北部などが
指定されていて、
ホルムズ海峡は含まれていません。

 

○藤井
この4つの中に
該当するパターンは
あるんでしょうか。

○櫻井
いずれも難しいとみられています。

 

 

3月11日ごろ、
ホルムズ海峡に
イラン軍が機雷を設置したという
報道もありましたが
政府は「存立危機事態」について、
「現在の状況が認定の要件に
 該当するといった
 判断は行っていない」
 という立場です。

「重要影響事態」についても、
現時点で、政府は
「要件に該当するという判断は
 行っていない」としています。

 

 

というのも、認定するには
「放置すれば我が国に対する
 直接の武力攻撃に至る
 おそれのある事態等」とされ、
また、
「現に戦闘行為が行われている
 現場では実施しない」
と定められているため、
この認定も難しいとの
見方が多いんです。

ただ、政府内からは
「攻撃が長引いてくると
 後方支援も
 ありえるかもしれない」
 との声があがっています。

さらに3月16日に議題となった
「海上警備行動」も
高市首相は
「非常に法的には難しい」
と認めています。

攻撃してくる相手が
「国または国に準ずる組織が
 想定される場合は
 派遣できない」としています。

○藤井
つまり、
日本の船を攻撃する
可能性があるのが
イランという「国」だから
ということですか?

○櫻井
そうなんです。
イランの実動部隊、
「革命防衛隊」も含め
海上警備行動では
難しいとしています。

 

 

そして最後の「調査・研究」。
これも今、
ホルムズ海峡は
「戦闘区域」にあたる
可能性が高いため、
難しい状況です。

 

このように
自衛隊を派遣するのは、
いずれもハードルが
高いとみられています。

自衛隊のトップ・統合幕僚長を
最も長く務めた河野克俊さんも
難しいと指摘。

「護衛艦を派遣することは
 同盟関係を維持する上で必要だが、
 法的には簡単に
 適用できるものがないため、
 十分な検討が必要」
「もし各国が派遣した場合、
 日本が派遣しないのは厳しい。
 各国がどう出るか
 見ていく必要がある」
 と話しています。

 

 

こうした中、
日米首脳会談が
3日後に控えています。

ここからは、
政治部・矢岡官邸キャップとお伝えします。

○櫻井
首脳会談まであと3日ですが、
高市首相は、
どう備えているのでしょうか。

○政治部・官邸キャップ 矢岡亮一郎
高市首相自身は、
3月17日も国会で
予算委員会に
約7時間出席する予定で、
なかなか準備が
ままならない状況です。

 

 

ある政府関係者は、
「いま事務方が
 トランプ大統領への
 応答要領を何パターンも
 必死に考えている」と話し、

ある政府高官は、
「今から検討します
 まずは来ましたという
 言い方もできる」
 と話していました。

○櫻井
とにかく時間がない
という状況ですもんね。

○政治部・官邸キャップ 矢岡亮一郎
そうなんです。
通常、日米首脳会談というのは、
事前に事務レベルで
シナリオが決まって、
当日は、いわゆる
セレモニーになることが
慣例なんです。

 

 

実は、この派遣の話が出る前、
先週段階の取材では、
多くの政府関係者が、
「今回アメリカ側から
 中東での貢献を
 求められる感じはない」
「成功は見えている」と
会談を楽観視していました。

その雰囲気が週末の
トランプ大統領のSNSの投稿で、
一気に吹き飛んだ、
そんな印象があります。

○櫻井
今回、トランプ大統領らしい
SNSでの発信でしたが、
そもそも派遣要望を伝えられるとは、
あまり想定していなかった、と。

 

 

○政治部・官邸キャップ 矢岡亮一郎
取材ではそう見えます。
ある別の政府関係者は、
「何よりつらいのは、
 このタイミングで
 トランプ大統領に直接
 会わなければいけないこと」
「あまりに予見可能性が低い」と。

トランプ大統領に
会うこと自体がリスクだ、と
言う人もいるわけなんです。

○櫻井
何を言い出すかわからない
ということですね。

○政治部・官邸キャップ 矢岡亮一郎
その通りです。
トランプ大統領と言えば、
首脳会談の冒頭
カメラマンや記者がいる前で、
延々とカメラに向かって
持論を展開するスタイルが有名です。

私もワシントン支局時代に
何度も見て、驚きましたが、
首脳そっちのけで、
記者に質問に答えたりもします。

 

 

記憶に新しいところだと、
ウクライナの
ゼレンスキー大統領を相手に
カメラの前で約50分間、
口論にもなったシーンは有名です。

○櫻井
印象的なシーンのひとつでした。

○政治部・官邸キャップ 矢岡亮一郎
仮に今回、
トランプ大統領からカメラの前で、
公然と自衛隊の派遣を求められたら、
高市首相はどう切り返すのか、
機転や外交センスも含めた
対応力が問われます。

3月16日も
高市首相が国会答弁で、
自衛隊の派遣について、
「まだ一切決めていない」と
話しましたが、
海外では「派遣を拒否した」と
一部のSNSなどで
誤って拡散した
という出来事がありました。

それだけ
国際的にも注目されている中での
非常に難しい首脳会談になります。

####

こちらの記事もオススメ!